アジの一夜干しが簡単にできるアイテムを使ってみた!

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雨の多いこの季節に、室内で「一夜干し」をつくれるという不思議なシートがあると巷間で聞いたのだが、一体全体どうやってできるのか首をかしげた。それもそのはず、室内では洗濯物だってなかなか乾かないというのに、まして干物が中でできてしまうのは到底考えられなかったから。しかし、この「一夜干しシート」(オカモト)は世間でなかなかの評判らしいので、論より証拠、実際につくってみることにした。

中を開けると、4枚の半透明シートが入っており、よく見ると二重構造で、水のようなものが混入されている。同社サイトの説明によると、これは水あめ成分と海草成分(糊料)。この水あめがシートを通して食品の水分と生臭み成分を吸収し、吸収した水分を海草成分が保持するのだという。

さてさて準備開始。まず、筆者が大好きなアジを近所のスーパーで2尾買ってきた。ちょうど安売りされていたのでラッキー。つぎに早速持ち帰って、同封のレシピ通り、塩水(約10%)に30分浸す。バットがなかったのでマル皿で代用した。

待ち遠しい30分が経ったので、アジの水分をキッチンタオルでよく拭き取り、まな板に広げたシートの上に置く。空気を抜くように手で抑えながらアジをシートに挟んで、あとは冷蔵庫で約12時間寝かせるだけだ。

これたとえば、勤め人の人だと、会社から帰った時間(18、19時)に作業すれば、翌朝の朝食の時間(6、7時)にピタリと間に合うわけ。便利だ。思っていた以上にあまりに簡単な作業で拍子抜けしてしまったが、ともかく出来上がりが楽しみ。

翌朝、とてもお腹が減っていたこともあり、冷蔵庫を開けて、アジを早速取り出した。見た目ではしっかり水分が取れているか分かりづらいが、触ってみると、さっぱりした感触。最初にしては、なかなか良さげな出来栄えに思えた。

オーブンに火を入れて、アジの干物焼き開始。焼き加減に注意しながら、5〜7分しっかり加熱。すると、オーブンならではのふっくら感のあるやさしい焼き上がりになった。自画自賛したくなるほど、美味しそう。

朝食、やっぱり日本人には焼き魚がよく似あう。シソ昆布載せ大盛りご飯、サラダ、白菜お新香と一緒にいただくことにした。

「うーん、柔らかくて、塩味がほんのり効いて、甘味もある」
正直、ここまでうまくできるとは予想だにしなかった。
「ご飯お代り!!」
これがなかなか食が進む、進む。

ほかに、肉の下ごしらえ、サンドイッチ用トマトなどに同シートを使うと、余分な水分がなくなって、その分旨みが凝縮されて美味しくなると思う。シートに挟むだけでできるアジの一夜干し。あまりに簡単、美味しさに、とても幸せな気分である。
(羽石竜示)