都立小山台vs都立橘
今春、センバツ初出場を果たした都立小山台が夏の初戦を迎えた。センバツから帰ってきてからは、福嶋正信監督は、部員たちに、「センバツのことは夏まで一切口にするな」と夏の大会に向けてのチーム作りをスタートさせた。選手たち自身も「泥臭い野球をしよう」と夏までのチームのテーマを自ら決めて、この3カ月間、前だけをみて練習に取り組んできた。
そして、迎えた東東京大会初戦。都立小山台と都立橘との対戦は、初回から大きく動く。都立小山台の2番大道 康平（3年）が、都立橘の先発・藤原和真（2年）の甘く入った球を見逃さずに、フルスイング。打球は、ライトスタンドへのソロ本塁打となり、まず1点を先制。
さらに、3番河合 幹太（3年）が、内野のエラーで出塁すると、すかさず二盗。さらに、相手投手のけん制球が逸れる間に三塁に到達。続く、4番伊藤 優輔（3年）がライトへの犠飛を放って、1点を追加。二死ランナーなしの場面から、5番諏訪 健太（3年）が二塁打を放って好機を作ると、6番竹下 直輝（2年）の左中間を破る打球がランニングホームランとなり、4対0と点差を広げる。都立橘は、先発の藤原を諦め、エースナンバーの林 鮎臣（3年）をマウンドに送る。
林は、2回こそ、3者凡退で抑えたものの、3回以降は都立小山台打線に掴まる。3回表、先頭の3番河合が左前打で出塁すると、4番伊藤、5番諏訪も安打で続いて、1点を追加。一死二、三塁から7番米澤の犠飛で、6点目を挙げる。都立小山台は4回にも、9番松坂 成也（3年）の左前打、1番西脇 康一（3年）の右前打とチャンスを広げると、2番大道の2点適時打で7対0。さらに、大道は、盗塁と相手の牽制エラーで三塁まで進むと、5番諏訪の内野ゴロの間にホームに生還。
9対0と都立小山台の大量リードで迎えた5回には、8番伊関の代打・香村 洋臣（3年）が振り逃げで出塁し、ここで二盗を仕掛ける。続く、9番松坂の代打で出場した管井晃祐（3年）がきっちり犠打を決めて、一死三塁。1番西脇の打席では、相手野手のエラーの間に、三走伊関がホームイン。その後も、3番河合の内野安打に、4番伊藤の二塁適時打と続いて、2点を追加。
その裏、都立小山台は、ここまで4回を投げて、被安打1、6三振の好投をみせたエース伊藤に代えて5回から、西島 陸（3年）にスイッチ。 西島は、一死から、都立橘の5番笹沼隆樹（3年）に中前打を許すも、6番水野孝亮（2年）を空振り三振、7番藤原和真（2年）を内野ゴロに打ち取り、試合を締めくくった。
都立橘は、初回に、先頭打者の千葉真之介（3年）が伊藤の球を捉えて、センター前に弾き返すも、チームにとって伊藤からのヒットはこの1本のみ。2、3、4回は三者凡退で抑えられた。
都立小山台は、この日、本塁打2本を含む13安打放って、12対0の5回コールドで、初戦突破を果たした。 2回戦は、12日（土）神宮第二球場で千早と対戦する。
（文＝安田 未由）
