開星vs広島工
開星・恩田
試合は序盤から荒れる試合展開となったが、最後は開星が粘り強い守りで、勝利をモノにした。
1回表、広島工は開星の先発から恩田 和季（3年）から4番山口 誠矢（3年）の犠飛、5番金広 直樹（3年）の適時打で2点を先制する。 1回裏、だが開星も二死満塁から6番持田 隆宏(3年）が中前適時打で2対2の同点に追いつく。2回裏にも田邨 光(2年)の中越えとなるランニングホームランを放ち、3対2と勝ち越し、3回表に4番山口の適時打で3対3の同点に追いつき、3回まで慌ただしい試合展開となる。
だが4回以降から試合が落ち着き、広島工の向井 翔也(3年）はテークバックを大きく取って、体全体を大きく使う躍動感ある投球フォームから常時140キロ前後(最速142キロ)の直球、120キロ前後の縦横2種類のスライダー、さらには80キロ台のカーブで、開星打線を抑え、開星は一塁についていた宮川 公佑(3年）が130キロ前半の直球、スライダーを織り交ぜ、広島工打線を抑えていた。
向井（広島工）
7回表、二死となったところで、好投していた宮川から足をつったため、投球ができず、恩田が再びマウンドに登る。再びマウンドに登ってからの恩田は非常に良かった。立ち上がりは常時130キロ中盤・最速141キロだったが、再びマウンドに登ってからは常時135キロ〜140キロ(最速142キロ）とスピードは上がっており、コンスタントに140キロを計測。カーブ、スライダーをコントロール良く投げ分けており、8回には三者連続三振を奪う投球だった。
その裏、相手のミスなどもあり、一気に5得点を入れ、開星が2時間33分の長時間のゲームを制し、準決勝へ駒を進めた。試合後、開星の山内監督は、「恩田は昨年の中国大会・高川学園戦を思い出すような出来で、いつもの恩田ではなかったですね。宮川の好投が大きかったですね」2番手左腕の宮川の好投を評価した。恩田は昨夏から試合に勝てる投手を目指して取り組んできたが、前半の投球を悔いていた。だが後半に持ち直したことについては、「昨年よりは我慢できるようになってきたと思います」と手応えを掴んでいた。降板したままで終わってはあまり開星にとっては良くない試合展開だが、再びマウンドに登ってから好投し、復調のきっかけを掴んだことに意味がある。夏へ向けて、収穫のある一戦になったようだ。
（文＝河嶋 宗一）
