「枕営業してるアイドルとかいっぱいいますけど!」―グラビアアイドル伊藤れいこさん(24)がテレビ番組でこんな発言をした。

「枕営業」といえば、お茶の間レベルで噂されることはあるが、現役アイドルが大々的に言うのは珍しい。アイドルファンにとっては耳をふさぎたくなる話だが、本当に「枕営業」は芸能界に氾濫しているのだろうか。

プロデューサーから誘われたら「マネージャーに相談します」

伊藤さんは法政大学在学中の2009年から芸能活動をスタートし、10年に「日テレジェニック」に選ばれた。現在はグラビアだけでなく、テレビドラマやバラエティー番組にも出演している。

13年8月4日放送のバラエティー番組「有吉反省会」(日本テレビ系)で、伊藤さんは「自身のブログを、業界人だけに向けたアピールの場として活用していることを反省しにやって参りました」として登場した。

「お世話になっている方々からお花をいただきました」「嬉しいな〜 華やかで素敵」という文章とともに、日テレの番組プロデューサー・毛利忍さんや大手広告代理店、CMクライアントから贈られた花の写真をアップしたブログや、「日テレのスタッフさん達に会えて嬉しかったよ」「プロデューサーさんからプリンいただいちゃいました」「『もっと出して日テレに』笑」などと書かれたブログが、「確実に業界人に向けアピールされている」として紹介された。

司会の有吉弘行さんが「普通は(ブログって)ファンに向けてとかですよね」「ファンの人が読んだら、何かちょっと枕営業の匂いすんなみたいな…」と指摘すると、伊藤さんは「いやいやいやいや!枕営業してるアイドルとかいっぱいいますけど!私はしてないですし!」と爆弾発言し、スタジオが驚きと爆笑に包まれた。

枕営業を必死で否定する伊藤さんだが、有吉さんから「お花くれたプロデューサーとかが『この前ブログに書いてくれてありがとう。今度ご飯でも』つったら行く?」と聞かれると、「それはー…マネージャーさんに相談します」と返答。「有吉反省会」をはじめ、「しゃべくり007」「行列のできる法律相談所」などを担当する日テレの田中宏史プロデューサーから「アシスタントにしてやるから今日どうだ?って言われたら?」と聞かれ、「チャンスだよ!」「いっちゃえ!」とゲストから囃し立てられると、「いやいや…」と否定したが、歯切れは悪かった。

ゲストのバカリズムさんから「有吉さん、彼女やってるね」「一度や二度じゃないよ」と言われると、慌てて否定しながら「周りはやってたりする…」と言い、有吉さんから「周りって言うな!」と突っ込まれていた。

枕営業なんてなく、最近のテレビ業界は「女より金」

伊藤さんは放送翌日の13年8月5日に更新したブログで、「放送を見て、捉え方は人それぞれ違うとは思いますが、意外と地味に地道にオーディション受けてコツコツ頑張ってますよ!」と改めて「枕営業」を否定した。

自身は「やっていない」と言い張るが、アイドル界隈で「枕営業」が横行している実態は本当にあるのだろうか。芸能評論家の肥留間正明さんに聞くと、「正直、今はほとんどないと思う」と意外な答えが返ってきた。

昔は確かにそういう話も聞いたが、ここ10年ほどでテレビ業界は「女より金」という空気になっているという。今は芸能事務所がギャラの10%の金額をプロデューサーに商品券などで贈る「10%返し」という慣例があり、女をあてがえば仕事につながるという甘い世界ではなくなってきているそうだ。

本当にギャラが安く、10%を返すにしても大した金額にならないような無名のアイドルなら、オプションで性的な接待も付けるかもしれないが、むしろそういったアイドルは「枕営業」より都心のキャバクラで生活費を稼ぎ、その中で客と援助交際のような状態に発展していくというケースが多いという。少なくとも大手のプロダクションはキャバクラ勤務も含め、若いアイドルにそういうことはさせないとのことだ。

今回の伊藤さんの発言に関しては「番組を面白くしようとして、事務所がそういう風に言わせたのではないか」と見ている。