仙台育英が逆転勝ちで準決勝へ

 雨の影響で、試合はシートノックなしの約20分遅れで始まった。アンツーカーにかぶせていたシートを外してすぐにプレーボール。慌ただしさがあった。

先攻は大崎中央。仙台育英の先発は馬場 皐輔。大崎中央の1番・古川凌は初球をスイングしてファウルすると、ボールが4球続いて四球で出塁。続く2番・柳川拓哉は初球をバント。馬場が処理して一塁に送球したのだが、仙台育英のファースト・小野寺 俊之介とセカンド・菊名 裕貴の呼吸が合わず、どちらも一塁ベースに着けない。それでも、馬場はボールを投じてしまい、一塁ベースの後ろにいた菊名のグラブに収まるも、打者はセーフに。

 これで、大崎中央は無死一、二塁とチャンスを広げる。さらに3番・豊島悠貴は、カウント2ボール1ストライクからバントすると、今度は仙台育英のサード・加藤 尚也の一塁への送球がすっぽ抜けて暴投。二走・古川が先制のホームを踏んだ。

 さらに、無死二、三塁となり、4番・尾形祥真のショートゴロを、仙台育英のショート・熊谷 敬宥が体に当てて弾いてエラー。2点目が入ると、5番・渡辺大裕は初球をレフトオーバーの二塁打にして3点目。見逃し三振で一死後、7番・我妻健はレフト前にタイムリーを放って4点目が入った。一死一、三塁で8番・宮本平輝がスクイズを決めて三走・渡辺がホームイン。大崎中央は浮き足立つ仙台育英を責め立て、初回に一挙、5点を奪った。

 その裏、仙台育英は一死から2番・菊名が一塁にヘッドスライディングしショート内野安打で出塁。二死後、4番・上林 誠知は四球で歩き、5番・小野寺がライト前にタイムリー。二塁を蹴った一走・上林は三塁でアウトになったが、1点を返した。

 2回表、大崎中央は1番・古川がレフト前ヒットを放ったが、2番・柳川はバントしたもののキャッチャーファウルフライ。一走・柳川は3番・豊島への2球目で盗塁を決めたが、豊島は空振り三振で二死。そして、4番・尾形のカウント1−1からの3球目のボールで二走・古川が三盗を試みるも、タッチアウト。この試合は、この場面で大崎中央の流れが消えたように見えた。

 2回裏、仙台育英は6番・小林 遼が死球、7番・水間 俊樹がレフトへの二塁打を放って無死二、三塁とすると、8番・加藤のサードゴロを大崎中央のサード・豊島が弾いて打球はレフトへ。二走・水間もホームに還り、2点を挙げた。

 3回には一死から上林がセンター前ヒットを放つと、5番・小野寺のレフト線への二塁打で、俊足を飛ばしてホームイン。ここで仙台育英はピッチャーを宮本から佐藤 弘基に交代した。6番・小林 遼はセカンドゴロに打ち取られたが、二走・小野寺が三塁に進んだ。そして、7番・水間がレフト前に同点タイムリーを放ち、5点差を取り戻した。

 そして5回、仙台育英は二死二塁で馬場がライトオーバーの二塁打を放って勝ち越し。6回に1点、7回に2点を加えた。

 初回に5点を奪った大崎中央だったが、2回以降はヒット3本に抑えられた。初回があまりにも上手く行き過ぎた怖さを感じ、一喜一憂せずに攻撃の手綱を緩めない攻撃を続ける事ができればわからない試合だった。

(文=編集部)