会議室に篭って長時間ブレストしても、あるいはパソコンの前でうんうんうなり続けたところで、なかなか良いアイディアは出ません。

仕事以外の時間の生活、すなわち「ライフ」を充実させてこそ、ちょっとしたきっかけからすばらしい閃きが得られます。

現在日経本紙で連載中の私の履歴書は、オムロン名誉会長の立石義雄氏ですね。

この数日は、自動改札機開発についての秘話ですが、自動改札機の開発において
課題となっていたいくつかの事項は、開発担当者の趣味・余暇の時間に解決策につながるアイディアが生まれていたことを明かしています。


まず、小さな切符に乗車区間や料金などの情報を搭載し、また機械に瞬時に読み取らせる技術開発についての閃き。

開発チームリーダーの田中さんが、ある日、自宅で音楽を聴いていたそうです。当時はまだオープンリールのテープレコーダーだったようですが、プラスチック製テープに磁気が塗ってあるのをみて閃いたわけです。

すなわち、音楽テープと同じように、切符の裏に磁性体を塗ることで情報の搭載と読み込みが可能となりました。


次に、自動改札機に投入された切符が、横になったり、斜めになったりしてうまく出口まで運べないという問題の解決につながる閃き。

機械担当の浅田さんは、久々の休日に子供を連れて渓流釣りに。

川面を流れてきた竹の葉が岩にぶつかってくるっと向きを変えたとき閃いた。

すなわち、自動改札機の投入口の近くに岩に見立てた駒を置くと、切符がきれいに縦に揃うようになったのです。

このように、なんらかの仕事上の問題の解決につながる閃きは、仕事とはかけ離れた場所や状況において得られることが多いものですね。


同じようなことが、日経産業新聞のコラム、「実践WLB(ワークライフバランス)経営」(2012/11/13)にも書かれていました。

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