2011年７月24日「アナログ放送が終わる日」と「地球が静止する日」【デジ通】

この原稿を執筆しているのは7月16日（公開は数日後のはず）。ついに地上波アナログ放送に終了まで10日を切ったことになる。総務省の調査では地デジの未対応世帯は南関東・首都圏を中心に30万世帯ほどだという。しかし、アナログ放送終了の告知に対して、苦情が多く寄せられているという話を聞くと、とても前向きに地デジを導入するムードには感じられない。7月24日に我々はどんなことを経験するのだろうか？



■地球が静止する日
「地球が静止する日」という映画をご存知だろうか？最近、キアヌ・リーブス主演でリメイクされたが、オリジナルはなんと1951年の作品である。ある日、地球に宇宙船がやってきて、警察、軍隊などがそれを取り囲む。宇宙船から降りてきた生物には攻撃の意図はなかったが、軍人がその未知の生物に恐れをなして発泡してしまう。未知なるものに対する恐怖が理性を上回ってしまったのだ。僕はアナログ放送終了のことを考えると、ついこの映画を思い出してしまう。

■アナログ放送が終わる日
アナログ放送が終わる7月24日には、午前12時（正午）になるとアナログ放送が終了したことを示す告知メッセージが表示される予定だという。それだけでは意味がないので、おそらくは地デジサポートセンターの電話番号なども表示されるはずだ。そして、その日の24:00までにはその告知の表示も消え、放送が完全に終了し、いわゆる砂嵐画面になることになる。ザーッ！これでアナログ放送は完全に終了である。

■未知なるものではないものに
アナログ放送の終了では、いきなり砂嵐にするのではなく、終了のメッセージを表示することでアナログ放送の終了を認識していない人に「未知なるものとの遭遇」というショックを与えないように配慮されているわけだ。とはいえ、そんなことを考えていなかった人（終了メッセージはさまざまな形で表示されていたが）には相当なショックとなることだろう。そして、その人数は現時点ではどれだけのものになるかわからない。

■デジサポ回線は十分か？
アナログ停波を意識していなかった人も、アナログ放送終了メッセージを見て、多くの場合、とりあえずはデジサポに電話しようと思うだろう。しかし、なかにはそのメッセージの意味がわからない人もいるかも知れない。また、電話が集中してデジサポに電話がかからないかも知れない。集合住宅などであれば、困って隣人のドアを叩く人もいるかも知れない。そんなときは、ぜひ何が起きているのか？をやさしく教えてあげていただきたい。彼（あるいは彼女）には宇宙人の襲来と同じぐらいショックな出来事かも知れないのだから。