デジタル放送普及率をUHFアンテナ設置状況から検証する
筆者の自宅は埼玉県の一軒家が多い住宅地です。ここは在京テレビ局の電波がすべて入る地域で、電波障害などもないので基本的に各家庭にテレビ放送受信用のアンテナが付いています。そのアンテナですが、在京テレビ局のアナログ放送を受信するためにはVHF用のアンテナがあれば十分で、テレビ埼玉などをみるためにわざわざUHFアンテナをつけるような家はほとんどありませんでした。
そのため、この地域で地デジに対応するにはテレビなどの対応と共に、アンテナの対応が必須という地域になっています。
このアンテナの状況をみるだけで、ある程度の地デジの普及率がわかります。
総務省などが地デジ普及率を定期的に公表していまいます。しかし、ネットユーザーの反応をみると、総務省のデータは信憑性がないようなので、筆者は定期的に近所のアンテナ設置状況を観察していました。
■埼玉県のUHFアンテナ設置状況
アナログ放送のみ視聴できるVHFアンテナしか設置していない家庭は、2008年ころはまだ多く、2009年頃から減り始めるという総務省のデータ通りの割合でした。この割合が急激に変化したのはエコポイントが始まった時期と同じで2010年頃からとなります。
2011年5月の調査では、VHFアンテナしか設置していない家庭は、100軒に1軒あるかないかという程度まで下がっています。ということで、総務省の調査結果は、筆者の自宅周辺のアンテナ設置状況だけでみると、おおよそ符合するという結果となっています。
しかし、アンテナの設置状況は、いくつかのパターンに分かれます。
- アンテナがない。ケーブルTVなどを利用している
- VHFアンテナしかない。アナログ放送を視聴している
- VHFとUHFアンテナを両方設置している。UHFアンテナを設置する際、VHFアンテナを残したか、すべてのテレビが地デジに対応していない、もしくは以前からUHFアンテナも設置していた
- UHFアンテナしかない。地デジに対応している
UHFアンテナしかない家は地デジに100%対応していますが、VHFとUHFアンテナが両方付いている家は、地デジ対応してはいるが、一部にアナログ対応機器も使用している可能性があります。
この両方のアンテナが設置されている割合は1割程度です。
最近ではケーブルTVなどを利用しているのか、アンテナが無い家も3割程度あり、それ以外のほとんどはUHFアンテナのみという状況になっています。
■地デジに完全対応しているのかどうか
ケーブルTVでは2015年3月までデジアナ変換サービスが実施されており、地デジ対応機器が無くても、ケーブルTVのチューナー(STB)でデジタル放送を視聴できるようになっています。そのため、ケーブルTVなどを使用していても、地デジ対応機器になっていないケースも考えられます。
この、VHFとUHFアンテナとケーブルTVを設置している家庭の半分が地デジに対応していないと仮定すると、おおよそ2割程度が完全に地デジに対応していないのかもしれません。
■まとめ
アンテナの設置状況
アンテナが無い 3割程度
UHFアンテナのみ 6割程度
VHFとUHFアンテナ 1割程度
VHFアンテナのみ 100軒に1軒程度
2011年5月現在、埼玉県の筆者自宅周辺の住宅地でアンテナの設置状況を見ると、VHFアンテナ設置家庭は激減し、地デジ対応の家庭がほとんどだが、すべての機器が地デジに対応していない家庭も2割程度あるのかもしれません。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。
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