昨日の連邦公開市場委員会(FOMC)のステートメントとニューヨーク連銀の補足資料(=捕捉資料を提示するのは異例)を読んでいて感じたことは、ベン・バーナンキFRB議長が極めて積極的にイールド・カーブ・マネージメントに乗り出しているということです。

具体的には追加的量的緩和政策による財務省証券の買い入れで30年債がシカトされているという点です。(もちろん、お化粧程度には買うでしょうけど。)

つまりわざと30年債は買い支えないことで価格の下落(利回りは上昇)を演出する意図があるわけです。そこにイールド・カーブを正規の状態(つまりデュレーションが長いほど利回りが高いこと)に持って行こうとする「作為」をびんびんに感じました。

イールド・カーブが正規の状態になるということは「デフレとは違うぞ!」というメッセージを市場にシグナルする効果があります。

追加的量的緩和政策の主なねらいは米国経済がデフレ・スパイラルにずり落ちることを防ぐ点にあります。それは逆に言えばチョッとしたインフレ(具体的には2%)を演出できれば目標達成になることに他なりません。

既に不動産を除くいろいろな資産価格はそういうシナリオを織り込み始めており、ゴールドや穀物だけでなく、ゴムや綿花などもどんどん騰がり始めています。

最後に残る大きなカテゴリーは原油です。
続きを読む

■最新記事
なぜブラジル人はFacebookが嫌いか
米軍や諜報機関向けコンサルティングで儲ける「体育会系」コンサル、ブーズ・アレン・ハミルトンがIPO
Mail.RU(Zynga、Groupon、Facebookの裏口銘柄)のロンドンIPOが値決め グレー市場では+27%
SEXYなクルマ、SEXYなインベストメント・ストーリーでIPOシーンに躍り出るGM
日本国債がデフォルトしたら日本国民はいきいきする