/飲食店は、演劇興行と似て、固定費が高く、飽和点があり、利益最大点が85%のあたりにくる特性がある。オーバーシュートしても、店が短命になるだけ。宣伝広告をしない方がよい業種というのもあるのだ。/

 テレビや雑誌に広告を出せば、何十万円もかかるのだから、番組や記事に採り上げてもらえてありがたいと思え、というような高飛車なマスコミ取材を嫌う店は多い。実際、取材だ、協力だと称して、スタッフが好き勝手に飲み食いしまくるユスリタカリのようなことも珍しくない。だが、じつは感情論以前に勘定論として割が合わないのだ。

 経済学の教科書を見れば、費用は、数量に関係のない固定費と数量に比例する変動費からなる、と書かれている。売上は、完全に数量に比例するので、固定費からゆっくりと上がっていく費用線と、ゼロから急に上がっていく売上線とが、ある数量のところで交差する。これを「損益分岐点」と言う。理屈からすれば、この点を越え、売れれば売れるほど儲かるはずだ。


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