土曜日の夜に松山ケンイチさん主演の「銭ゲバ」を見ました。「今の格差社会が許せないだろ」「格差なんてずっとありましたよ」というやり取りを見て、そうだよなあ、と思いました。でも、一億層中流と言われた時代からいつの間に格差社会が到来したのでしょうか?


 日本人の中流意識のピークは1970年代後半ですね。

 みんなが中流と「思っていた」時代ですね。当時の年収データを見ると、インフレとあいまって、比較がリアルにはしにくいですね。

 平均年収は、1970年代後半において、180万円〜250万円ぐらいです。国税庁の「民間給与実態統計調査」にデータがありますね。

 当時の上流、中流、下流別など年収のデータは特に無いですね。

 意識調査はありますけどね。「国民生活に関する世論調査」で、上、中の上、中の中、中の下、下という区分けで調べているデータがあります。

 ピークの70年代後半、77年を見てみますと、

(Q)お宅の生活程度は,世間一般からみてこの中のどれに入ると思いますか。
( 0.6) (ア) 上
( 7.5) (イ) 中の上
(59.2) (ウ) 中の中
(23.4) (エ) 中の下
( 5.0) (オ) 下
( 4.2) 不明

 となっています。(イ)+(ウ)+(エ)=90.1です。

 すごいです。9割の人が中ぐらいだと思っています。

 一番最近の調査、2008年を見てみると、

(0.8) (ア) 上
(11.0) (イ) 中の上
(54.7) (ウ) 中の中
(25.7) (エ) 中の下
(6.6) (オ) 下
(1.2) わからない

 となっていますね。上が0.2%、ささやかに上昇していて、中の上もささやかに上昇ですね。

 (イ)+(ウ)+(エ)=91.4

 うーむ。数字のマジックでしょうか?不明、わからないが減っているので、中流と思っている人が増えている結果になっていますね。

 実に面白い。

 確かに、中の下、下と答えている人も増えている。

 確かに、自分は上だ!と言っている人もささやかに増えている。


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