インテルのCentrino 2 を採用した、ソニーのVAIO type S 「VGN-SR70B/S」

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ソニーのVAIOをはじめレノボのThinkPadなど、ノートパソコンの夏モデルが各社から一斉に発表された。2008年夏モデルの大きな特徴はインテルのプラットフォーム「Centrino 2」を採用したことだろう。
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今夏のモデルは5年ぶりに刷新された「Centrino 2」一色となったが、なぜ、各社は「Centrino 2」を採用したのだろうか。

今回は、ノートパソコンの夏モデルで初めて登場した「Centrino 2」についてみてみよう。


■Centrino 2とそれを支える技術
Centrino 2はどのような特徴を持ったプラットフォームなのだろうか。Centrino 2の技術と、そのメリットを簡単にまとめてみた。

●Centrino 2ってなに プロセッサーとは違うの?
Centrino 2とは、インテルのブランド名のひとつで、開発コード「Montevina(モンテヴィーナ)」と呼ばれていたノートパソコン向けプラットフォームだ。ノートパソコン向けのプロセッサ、チップセット、そして無線LANモジュールをはじめとするネットワークコントローラーで構成されている。

Centrino 2は「2」とはついているが、実は5年以上前(2003年3月)に登場した「Centrino」と呼ばれるプラットフォームから第5世代目となる。

「Centrino」を名乗るには、プロセッサー、チップセット、ネットワークコントローラーのすべてがインテル製でなければならない。これらのパーツのうちひとつでもインテル製でない製品が使用されていると、「Centrino」とは名乗れないのだ。


●Centrino 2の特徴と変更点
Centrino 2はこれまでのCentrinoに改良を加えたもので、パソコンメーカーは自社のノートパソコンにCentrino 2を採用することで高性能で低消費電力のノートパソコンを提供できる。

Centrino 2は、Centrinoと比較してTDP 25ワットの省電力版プロセッサ「Core 2 Duo Pシリーズ」への対応、FSBが1,066MHzへの引き上げ、Intel WiFi 5000番台の新しい無線LANモジュールが追加などが変更点となっている。

数ある特徴の中でインテルがもっとも強調しているポイントは、同社のグラフィックスコア「Intel GMA X4500HD」を統合した新しいチップセット「Intel GM45 Express」だ。
「Intel GM45 Express」を採用したノートパソコンは、内蔵グラフィックスだけでもブルーレイディスクの動画がスムーズに再生できる。

2008年7月16日に行われた「Centrino 2」の製品発表会では、インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏はコンシューマーで重要なのはブルーレイであり、これからのモバイルコンピューティングに求められる機能を実現する新しいプラットフォームとして、「Centrino 2」を世に送り出したと述べている。
コンシューマーで重要なのはBlu-ray──インテル、Centrino 2のコンセプトをアピール - ITmedia


●グラフィックスを使い分けられる
Centrino 2は、新しい省電力機能としてスイッチャブル・グラフィックス機能を採用している。この機能はチップセットに統合されたグラフィックスコアと外付けの専用GPUを専用スイッチで切り換えたり、電源の状態によって自動で切り換えたりすることができる。

これはAMDのノートパソコン向けプラットフォーム「Puma」で導入された「Hybrid Graphics」とほぼ同様の機能だ。3次元のグラフィックスなどの画像処理を高速化させたい場合は専用GPU、屋外でバッテリーを長持ちさせたい場合はチップセット上のグラフィックスコアといった具合に、利用する状況に最適なグラフィックス機能を使い分けられるわけだ。こうした機能は、今までのプラットフォームでは実現できなかったものだ。


●セキュリティに強い
ビジネス市場向けのプラットフォーム「vPro テクノロジー インテル Centrino 2」では、セキュリティへの配慮もみられる。

具体的には、無線LAN接続による遠隔操作やシステム診断、往診、修復などに対応する。またインテル アクティブ・マネージメント・テクノロジー機能より電源を切った状態でもリモート管理が可能となり、ファイアウォールを超えた遠隔設定ができるようになっている。


●どれぐらいのパフォーマンス(性能)アップが期待できるか
Centrino 2は高性能でセキュリティにも強いことは理解できたが、ノートンパソコンがCentrino 2を採用すると、どれぐらいのパフォーマンスが期待できるのだろうか。

インテルの公式発表によると、最小3Mバイトのスマートキャッシュと1,066MHzフロントサイド・バスによって、ノートパソコンのパフォーマンスは最大50%※も向上するそうだ。無線機能は802.11a/gと比較して最大2倍※の有効範囲と最大5倍※のパフォーマンスを実現するという。

さらにインテル インテリジェント・パワー機能とディープ・パワー・ダウン・テクノロジーにより、バッテリーの駆動時間も伸びそうだ。
※ハードウェア、接続速度、使用場所の状況、ソフトウェア構成により異なる

Intel Next-Gen Wireless-N(英文) - インテル
※Performance results for Intel Centrino 2 processor technology with Intel Core 2 Duo Processor P8400 with Mobile Intel GM45 Express Chipset compared to IntelR Centrino processor technology with Intel Core?2 Duo Processor T2700 with Mobile IntelR 945GM Express Chipset.

さらに注目されるのが、HDビデオの圧縮処理だ。なんと最大90%※高速化され3次元グラフィックスのパフォーマンスが3倍以上に向上する。ブルーレイドライブのコンテンツが快適に見られる秘密はここにあるのだ。
Intel CentrinoR 2 Processor Technology(英文) - インテル

無線LANについては、ドラフト版の802.11nの機器を購入すれば既存のCentrinoノートパソコンでも機能を追加できるが、メモリーアクセスやデータ転送、バッテリーの省電力機能、グラフィックス処理機能などはプラットフォームに依存であるためCentrino 2ノートパソコンでないと利用できない。

Centrino 2は発表されてから1週間した経ってないが、これまでのノートパソコン向けのプラットフォームに比べて高いパフォーマンスとバッテリー駆動時間、堅牢なセキュリティを備えていることから今後は個人向けのノートパソコンだけでなく企業向けのノートパソコンにも広く採用されるものと推察される。


参考:
インテル Centrino 2 プロセッサ・テクノロジー - インテル
インテル Centrino 2 製品概要(英文/PDF) - インテル
インテル - 企業サイト
Centrino - ウィキペディア


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