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 W杯得点王争いが、本命選手の活躍で激化している。6得点で単独トップのアルゼンチンFWリオネル・メッシ(39)を、前回得点王のフランスFWキリアン・エムバペ(27)らが2点差で追う。1次リーグ3試合のデータから、各国ストライカーの特長を比較する。

 並み居る欧州主要リーグ得点王を抑え、メッシが得点ランクを独走している。初戦アルジェリア戦でいきなり史上最年長ハットトリックを達成。オーストリア戦で2発、39歳で迎えたヨルダン戦では途中出場から直接FKを沈めた。最多通算得点を19に伸ばし、優勝した前回大会から新記録の7戦連発と勢いが止まらない。

 メッシが得点を量産できる理由は、取るべき場所を見つける抜群の嗅覚だろう。スプリント回数や総走行距離など、走力系データは4得点以上の選手で最少。走ってマークを振り切るよりも、シュートのこぼれを予測して詰めたアルジェリア戦の2点目や、芸術的な連係から生まれたオーストリア戦の1点目のように、難なく決めたようにも見えるゴールこそ真骨頂だ。

 フランスは2人が4得点で並ぶ。前回大会でメッシと決勝まで得点王争いを続けたエムバペは、驚異のトップスピード時速37・6キロを生かして個人最多タイのシュート16本。2アシストも記録し、得点で並べばアシスト数などで1人が表彰される「ゴールデンブーツ賞」に有利となる。25年バロンドール受賞のFWデンベレは、ノルウェー戦の前半だけでハットトリックを達成した。シュートした位置や状況から期待される得点(0〜1で示され、数値が大きいほど決定的なチャンス)の合計を示す「ゴール期待値」がわずか0・76ながら、シュート8本で4得点の高い決定率。難しい状況から決める技術の高さを示している。

 3試合連発のブラジルFWビニシウスはスプリント164回が上位陣最多。短いダッシュを繰り返し、ゴール期待値2・71と決めやすい状況を自身でつくり出している。W杯デビュー2戦連続2発のノルウェーFWハーランドは、1メートル95の大柄ながらエムバペに迫る時速36・5キロのスピードが武器。バックパスに反応してGKを瞬時に追い詰めたイラク戦の2点目が象徴的だ。18年以来2大会ぶりの得点王返り咲きを狙う現在3得点のイングランドFWケーンは、上位陣最長の総走行距離32・0キロが光る。

 準決勝まで進めば残り5試合。試合増の恩恵を受け、70年に10得点したG・ミュラー(西ドイツ)以来の2桁得点、58年フォンテーヌ(フランス)の最多13得点にどこまで迫れるか。前回のメッシとエムバペに続き、決勝まで得点王争いがもつれる展開を望みたい。(記録課・矢吹 大祐)