30日、ホテルグランドパレスで開かれたセミナーで偽ブランド品について説明を受ける参加者ら(撮影:佐谷恭)

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インターネットでニセモノをつかまされないためには?――。日本流通自主管理協会(AACD)は30日、偽ブランド品を購入しないよう消費者に呼びかけるセミナー「ニセモノってなに?〜ネット購入の“常識”」を、東京・九段のホテルグランドパレスで開いた。20−30代の女性を中心に約70人が出席し、“ホンモノの見分け方”を探ろうと熱心に聞き入る様子が見られた。

 同セミナーは、偽造品・不正商品の流通防止を目的に設立されたAACDが、インターネットショッピングの普及を受けて消費者向けに初めて行ったもの。インターネットで気軽に買い物が楽しめるようになった反面、巧妙な偽サイトの出現や確認の難しさなどから偽ブランド品の流通スピードが加速している現状に歯止めをかけるのが狙いだ。

 AACDの大谷規世事務局長は、「内外価格差や為替変動を利用して安く仕入れた“並行輸入品”を販売する店では直営店より安く買えることは事実だが、価格差には限界がある。安すぎる商品には注意が必要」と話し、“並行輸入品だから安い”というようなウソに注意するよう呼びかけた。AACDはブランド品に関するデータを大量に蓄積しており、ブランド品の真贋(しんがん)に不安を持つ消費者からの相談も受け付けているという。

 セミナーには、ヤフー<4689>法務部の吉田奨マネージャーも登壇し、パトロールや店舗との契約などで、ニセモノの流通を防ぐ取り組みを行っていると報告した。一方で、ヤフーもAACDも「判定基準など具体的内容については、ニセモノ業者に裏をかかれる可能性があるので公表できない」として、見分け方の詳細は明らかにされなかった。

 セミナー後、展示されたニセモノをホンモノと見比べる展示が設けられ、参加者らはその精巧さに驚いていた。見分けるポイントは書かれていたものの、指摘されても分からないものもあり、「実物を見ても分からないので、ネットショッピングには不安を感じると思った」(20代女性)という切実な反応も。

 並行輸入ブランド品に関する相談、問い合わせは、AACD消費者Q&Aセンター(電話:0120-786-470)まで。【了】