「トンネルやめます」 横浜郊外の“立派なブツ切れ道路”で計画変更 進捗は依然0%
都市計画道路「恩田元石川線」です。
1年間、特に進捗はなし
恩田元石川線の行き止まり地点。撮影は2023年だが、現在も状況に進捗はない。横浜市青葉区荏子田2丁目付近(大藤碩哉撮影)。
横浜市の道路局建設部建設課は2024年11月、都市計画道路「恩田元石川線」の元石川地区(青葉区)について、6月から7月にかけ開催した説明会の資料などを公開しました。
恩田元石川線は最終的に、同区の元石川町とすみよし台を結ぶ幅員22m・延長5.86kmの道路となる計画ですが、現時点では同区鉄町(くろがねちょう)から荏子田二丁目までの約2.7kmの開通にとどまっています。特に元石川地区(荏子田二丁目)では、中央分離帯のある2車線道路が突如として行き止まりになっており、そこから北へ410m延伸する計画があるのです。
資料によると、新道は日吉元石川線へつなげ、その交点は覚永寺交差点(仮称)となる見込み。市は整備効果について、災害時の緊急輸送路の機能強化や地域拠点へのアクセス性の向上などを挙げています。
また、計画変更があったことも明らかとなりました。行き止まり地点から北、つまり計画のある元石川町方面を見ると、そこは崖になっています。上には尾根道が横切っていますが、新道は当初、トンネルでアンダーパスする予定でした。これを切土擁壁構造(切通し)とするようです。
市は理由を「事業費が安くなり、施工期間も短くなるため」とし、擁壁の高さは十数mを想定しているとしています。
ちなみに2024年3月時点の事業進捗率は0%、用地取得率は12%です。契約中の工事もありません。市は質疑応答の際、近隣住民から出た着工時期の質問に対し、「これから用地測量、用地交渉を行う段階であるため、工事に着手する時期は未定です」と回答しています。