興梠慎三、残りキャリアの過ごし方「なんかすごく複雑」 引退決断の戦友たちは「尊敬に値する」
浦和FW興梠慎三は今季限りでの引退を7月末に発表
今季限りでの現役引退を表明している浦和レッズのFW興梠慎三は、11月13日の公開練習後に取材対応。
キャリアの残り期間が短くなる中で声援にも応え、「こうやってサポーターと触れ合う機会も数えるくらいしかない」と、穏やかな表情で話していた。
興梠は宮崎県の鵬翔高校から鹿島アントラーズに入団し、2013年に浦和へ移籍。最前線を張る万能型ストライカーとして、浦和でのクラブ史上のJ1最多ゴール記録をマーク。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では、日本人最多ゴール記録も保持して、2回の優勝と1回の準優勝に大きく貢献した。
その興梠は7月末に今季限りでの現役引退を表明している。それだけに、この日の公開練習にも興梠の背番号「30」を手にしたサポーターの姿が多くあった。その光景を目にして「こうやってサポーターと触れ合う機会も、自分の現役中には数えるくらいしかない」として、「今ちょっと、サインをして帰るか考えてる」と笑った。
そして、浦和でともにプレーしたDF森脇良太やMF梅崎司、ザスパ群馬のMF細貝萌も今季限りでの現役引退を表明した。興梠を含む全員が同学年だが、「ちょうどみんな、そういう時期なんですかね。モリも梅ちゃんも大きなケガを抱えながらこの歳までやれたのはすごいと思うし、尊敬に値すると思う」と話す。そして、クラブの社長に就任する細貝については「それだけチームにとって偉大な選手だから、こういうポジションを与えられるのかなと思う」と話した。
マチェイ・スコルジャ監督は「慎三は非常に大事な選手であり、私もとてもリスペクトしている。そして今シーズン中に彼が必ずピッチに立つという約束は実行したい」と話している。浦和は11月22日に前半のみで中止されて後半45分間を行う川崎フロンターレ戦があり、その後はアビスパ福岡とのアウェーゲーム、アルビレックス新潟とのホームゲームを戦ってシーズンを終える。
これまでに引退するチームメートを見送ってきた興梠は、今回は逆に立場になるだけに「なんかすごく複雑で、でも楽しみですね」と微笑んだ。取材対応を終えて一度はクラブハウスの中に戻った興梠だったが、再び姿を現してサポーターのところへ向かい交流していた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)