ペアSPで息の合った演技を披露する三浦璃来(右)、木原龍一組(撮影・堀内翔)

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 「フィギュアスケート・NHK杯」(8日、国立代々木競技場第一体育館)

 ペアのショートプログラム(SP)が行われ、23年世界選手権優勝の“りくりゅう”こと三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が23年4月の国別対抗戦以来約1年7カ月ぶりとなる国内戦に臨み、71・90点で首位発進した。

 最終滑走で登場。サイドバイサイドと呼ばれる同ジャンプを2人で跳ぶ技では、3回転トーループで三浦がバランスを崩したが、その後は大崩れせずにまとめあげた。三浦は「ミスがあったんですけどリカバリーができたので良かった」とうなずき、木原も「ベストな演技はできなかったけどミスを引きずることなくまとめきれたのは成長できた」と収穫を語った。

 昨季は木原の腰椎分離症でGPシリーズ、日本選手権を欠場。24年2月の四大陸選手権で実戦復帰していたが、日本での試合は23年4月の国別対抗戦以来となった。約1年7カ月ぶりの国内戦では、大勢の観客に見守られ、演技後は大きな拍手を送られた。三浦は「滑ることができて本当にうれしい」と笑顔で、木原も「たくさんの観客の皆さまが“りくりゅう”タオルをたくさん掲げてくださっていた。滑る前からすごく勇気を頂いていて頑張れた」と話した。

 9日のフリーに向けて話が及ぶと、2人らしい息のあったやりとりを見せた。SPは今季自己ベストの77・79点から離れた結果となったこともあり、「私たちは点数を目標にしているわけではない」と三浦が切り出すと、木原が「ん?『過去の自分たちに勝つ』って言ってるから点数は超える…(合計は厳しくても)フリーはフリーで超えればいいんじゃん。矛盾してるぞ、それは」と笑って突っ込んだ。これには三浦も「そうだね」と笑って返し、木原は改めて「あしたフリーの点数で前回の自分たちを超えたい」と意気込んでいた。