本名で活動する“人気セクシー女優”、娘と対話を続けた18年間を振り返る「担任の先生にも全てお話していた」
――だから、自身の活動をすべて本名で統一させた?
黒木:迷いはありました。これまで蓄積してきた結果も一旦リセットされることになるし、「もったいない」とも言われました。何より、最終的に娘が大きくなったら私の仕事のことがきっとバレてしまう。それでも、全責任は自分にありますから一本化しようと決めたんです。
――この件について、娘さんには話はしたのでしょうか?
黒木:はい。当時娘は小学生で、本人に「こうやろうと思う」という決意表明はしています。「理解できるとは思わないけど、私はこうやって生きていく」と告げたのですが、「ふーん」という反応でした(笑)。
――まだよくわかっていない雰囲気が伝わってきます(笑)。
黒木:それでも、毎年4月に学年が上がるタイミングで必ず同じ話をするようにしていました。同時に毎年三者面談で担任の先生にも全てお話することにしたんです。もしも後々で学校にバレて娘が辛い思いをするなんてこと、あってはならないですから。正直に全て話をすると驚かれはしましたが、だからといって娘が傷つくような事案が起こったことはありませんでしたね。
――娘さんは平穏に学校生活を送れていたわけですね。
黒木:娘が小学校4年生くらいになった頃には、私の仕事のことを先生に話したと伝えると「別にいいんじゃない? それで私に嫌な態度をとってきたら、その先生が普通に嫌な人ってことだよね」なんて言ってくるようになりました。
――10歳くらいにしては、かなり達観してますね。仕事のこと以外で娘さんに伝え続けてきたことがあるのでしょうか?
黒木:「人と違うことは、違うという事実があるだけであり、差別の対象ではない」ということを教育方針にしていました。私自身、実は恋愛対象が両性なので、娘にもそういった人たちに対する理解ができる人になって欲しいと思っていたんです。反面、私は人と違うことに嫌悪感を抱く人も存在することも理解するのは大事だと考えています。
――必ずしも多様性を全て受け入れるべきというわけではない、ということですね。
黒木:性教育のことも含め、娘とは常に対話をし続けてきました。お陰で生理のことや、思春期の成長についての不安なんかも言いやすい環境ではあったと思います。
◆「仕事でしょ? 普通じゃない?」
――娘さんは今18歳とのこと。最近では黒木さんのSNSにたまに登場していますよね。
黒木:よくXのアカウントでやりとりしているし、イベントの手伝いにも来てくれています。しっかりと黒木歩の娘として手伝ってくれているので、ファンの方々もみんな娘のことは知っています。
――現在の娘さんは、黒木さんの仕事のことを率直にどう思っているのでしょうか?
黒木:昔から変わることなく「仕事でしょ? 普通じゃない?」ってスタンスですね。今の10代の子たちって、上の世代が思っているよりもアダルトの仕事に否定的ではないんですよ。今思えば、娘は中学生くらいの頃から「まあ、色んな仕事があるよね」みたいな感じでした。私の学生時代とはぜんぜん感覚が違うんです。
――SNS上で心無い意見などを目にすることはありませんか?
黒木:私へのリプライで「親がセクシー女優とか、俺なら死にたくなるわ」とか来ていても、娘は「何言っちゃってんの?」って感じです。あくまでもアダルトも一つの仕事として捉えている感覚のようです。
◆実母を反面教師に、母娘関係を築いてきた
――娘さんととても良い関係を築いているように感じます。
黒木:私はずっと「母とは何ぞや」と自問しながら生きてきたんです。実母はクラブのママをしていて、いつまでも一人の女として生きていた人。完全に男性依存型の女性でした。私はずっと祖母と暮らしていて、母とはほとんど会話をした覚えもないくらいです。