オープニングイベントでパフォーマンスを披露する浅田真央さん(撮影・園田高夫)

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 フィギュアスケート女子で元世界女王の浅田真央さん(34)の名を冠したスケートリンク「MAO RINK TACHIKAWA TACHIHI」が8日、11日の開業を前に東京・立川市の施設でオープニングセレモニーが行われた。個人の名を冠したフィギュアスケートリンクができるのは国内初となる。

 この日は報道陣に施設が公開され、浅田さんによるスペシャルパフォーマンスや、近隣の園児へのスケート教室が行われた。スペシャルパフォーマンスで子供たちと演技。浅田さんは白と淡いピンクの和装で登場し、躍動的な太鼓の音とともに力強く演技すると、ラベンダー色のドレスでしっとりと魅了した。長年の夢であった「MAO RINK」の完成に、浅田さんは「夢が現実になって感動してます。MAO RINKを作るのが子供の頃からの夢でした。世界一のリンクを作ってくださった、携わってくださったすべての皆様に感謝申し上げます。自分自身のアイスショーをこのMAO RINKからスタートさせたいですし、将来は指導者として子供たちを教えていきたい」と、笑顔で語った。

 17年の現役引退から語り続けてきた「夢」の実現となった。選手たちの活躍で黄金期が続く日本フィギュア界だが、通年のアイスリンクの不足が大きな懸念となっており、浅田さんも「海外に比べるとリンクが少ない」と話し、競技の発展、普及を思う中で自身のリンクの設立を思い描いてきた。「MAO RINK」は立飛ホールディングスの全面バックアップのもとで建設。総工費は非公表。メーンリンクのほか、サブリンク、トレーニングジム、バレエやジャズダンスなどの練習ができるスタジオ、温かい食事を提供できるレストランも作った。メーンリンクは国際規格で大会やアイスショーの開催も可能。サブリングはガラス張りにして、春は桜など外の風景を楽しめるようになっている。

 現在は「第二の夢」というプロスケーターとして活動しているが、引退後に指導者として同リンクを拠点に世界で活躍するスケーターの育成を思い描いている。浅田さんはイベント後の取材で「指導者が第三の夢。このリンクから世界一のスケーターを生み出せるようにしたい」と、力を込めた。