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 ドジャース・大谷翔平投手(30)の「51盗塁」をめぐり、野球ファンの男性がベースを渡すよう訴訟を起こしたと7日(日本時間8日)、「インディペンデント紙」(電子版)が報じた。

 大谷は9月19日のマーリンズ戦で初回に二塁から三塁への盗塁に成功し、今季50盗塁目をマーク。2回には一塁から二塁への盗塁に成功し、今季51盗塁目を記録した。この試合で大谷は49、50、51号を放ち、盗塁も50、51盗塁をマークしている。

 訴訟を起こしたのは、サウスカロライナ州在住のジェームズ・ゴセットさん。マーリンズとの3連戦を前に大谷が間もなく「50−50」の偉業を達成すると確信していた。

 大谷が50盗塁を達成すれば、球団が盗塁を決めたベースを記念品として取り外すことが明白なため、ゴセットさんは盗塁のスタート地点であるベースの購入を希望。マーリンズの試合使用記念品の販売部門にメールを送り購入を問い合わせた。

 各ベースは試合中に何度か交換されるのが普通で、ボールなどとともに「試合で使用した」コレクションとして販売される。一般的にベースは100ドル(約1万5000円)以下で売れているという。

 そこで、ゴセットさんは「私は彼が立ち去ったベースが欲しい。2500ドル(約38万円)を支払います」とメールを送り、何度か担当者とやりとりをした後、担当者から「大丈夫です」と返答があった。

 9月19日の試合で大谷は初回に三盗を決め、50盗塁に到達。ゴセットさんは担当者に「二塁ベースが手に入るかどうか、すぐ返信してください」とメール。訴状によるとマーリンズの担当者から「50盗塁時の二塁ベースは外され、あなたのために確保されています。今夜遅くに請求書を送ります」と返答があったという。

 ただ、実際には大谷が初回に二塁から三塁へ三盗を決め、50盗塁に達した際、三塁ベースは取り外されたものの二塁ベースはそのままに。その次の回に大谷が一塁から二塁へ二盗を決め、51盗塁目をマーク。ゴセットさんが購入を希望していた二塁ベースは51盗塁を決めたベースとなった。

 その後、マーリンズの担当者から「大変申し訳ございませんが、あなたが購入を希望していたベース、つまり大谷選手が50盗塁を決めた時点での二塁ベースは、現在購入できません」と連絡が来た。さらに、二塁ベースは「ドジャースに渡りました」とも記されていたという。

 ゴセットさんはマーリンズとの間に「ベースの売却契約があった」としてマーリンズが契約に違反し、ドジャースが妨害していると主張。訴状では「このベースは、本来の所有者であるマーリンズから所有権を取得したドジャースによって不当に差し押さえられている」と訴え、ベースをゴセットさんに引き渡すよう要求している。

 ゴセットさんの代理人弁護士も、もしマーリンズが大谷の50盗塁後に二塁ベースを適切に試合から外していたら、「51盗塁目は違うベースになっていただろう」とし、この論争が存在しなかったとしている。