能登半島地震の被災地には2度目の冬が訪れようとしています。

地震と豪雨の二重被災を懸命に乗り越えようとしている住民たちは今、復旧活動を加速させようと、石川県輪島市では有志が民間のボランティアセンターを立ち上げ、一層の支援を呼びかけます。

度重なる災害が襲った輪島市町野町。今もその爪痕が色濃く残ります。

地震と豪雨の2度の被害を受けた輪島市町野町で民間のボランティアセンターが発足

受付「ありがとう。じゃあ、6番7番の手テーブルでちょっとお待ちくださいね」

輪島市立東陽中学校の体育館に設けられた民間のボランティアセンター「まちなじボラセン」。地元の有志が立ち上げた団体「町野復興プロジェクト実行委員会」が、9月の豪雨から1週間後に開設し、全国から集まるボランティアの受け皿を担っています。

岡山県倉敷市から来たボランティア小野満さん・美千代さん

「県のやつ申し込んでも申し込んでもダメだった、定員が25とか30とかね。それもいっぱいで」「以前6年ほど前に(岡山県倉敷市の)真備町で水害があった。その時に皆さんが全国から来てくださった方のお世話をさせていただいて、その恩返しと言ってはなんですけど、そういう意味で」

町野復興プロジェクト実行委員会 山下祐介委員長

「土石流っぽい感じでひどくなっている地域なので、まだまだ大変な地域がこうやってありますよっていうことを写真とかでSNSとか使って発信してほしいというのは個人的な気持ちではあるんですけど」

平日のボランティアの少なさが課題

寒さが厳しい本格的な冬を前に、最低限の復旧にめどを付けるうえで、課題となっているのが平日のボランティアの少なさ。

7日の受け付け人数は7人。

ボランティアセンターからおよそ10キロ離れた南志見地区に移動し、作業にあたりました。

輪島市の豪雨被害は広範囲で支援が十分になるまで時間

牛田和希キャスター

「これまでボランティアの力が足りていなかった南志見地区ですが、今日は寒い中、全国から集まった方が泥のかき出し作業を行なっています」

住宅の敷地や道路に残った泥。

輪島市では豪雨の被害が広い範囲に及んだため、十分な支援の手が届くまでには時間がかかったといいます。

ボランティア小野満さん

「これから乾くと、また今度は土埃がすごくなって喉なんか痛める方が出てくる」京都からのボランティア「全国的には能登の地震の現場っていうのはもう、過去のものになっちゃってるている。体が動く限り何かしらの役に立ちたいなと」

「まちなじボラセン」では現在、平日に30人から50人、土日で80人から100人規模でボランティアを受け付けています。

今でも人手は十分とはいえませんが、今週末以降はさらに応募が減っていて、雪の時期を前に支援の輪の広がりは欠かせません。

「せめて豪雨前の状態に」

町野復興プロジェクト実行委員会 山下祐介委員長

「せめて豪雨が降る前の状態に。できれば雪が降るまでに何とかしたいと考えて。そうなった時にはやはり多くの方の協力を得なければならないということだったので、多くの人に来てお手伝いいただければというのは率直な思い」

特に住民が不安を抱えているのは、地震・豪雨に続く3度目の孤立です。

町野復興プロジェクト実行委員会 山下祐介 委員長

「また孤立するんじゃないかって不安は物凄く多い。それと合わせて除雪。除雪が本当に今年、例年通り来てくれるのかという、そういった不安が多い。特に孤立っていうところに関してはすごく皆さん不安に思われてます」

二重被災で苦しむ地域に、これ以上の被害が広がらないように。

冬を前に懸命の活動が続いています。