正力賞にDeNA・三浦監督 特別賞にドジャース・大谷翔平 王貞治氏「勝負の世界は勝たなきゃいけない」
今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督、選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内で行われた。レギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がり、日本シリーズを制してチームを26年ぶりの日本一に導いたDeNA・三浦大輔監督(50)が選出された。
CSでは2位・阪神、リーグ覇者・巨人と上位チームを次々と下し、7年ぶりの日本シリーズに進出。頂上決戦でも、貯金42と圧倒的強さを誇ったパ・リーグ王者を2連敗ののち4連勝で下した。
会見に出席した選考委員の王貞治氏(84=ソフトバンク会長)は「皆様といろいろお話をさせていただいて、下克上を成し遂げた横浜ベイスターズの三浦監督の手腕は十分評価に値する。私は個人的な立場でも相手側のチームにいましたが、横浜ベイスターズの日本シリーズでの強さっていうのは、実際に自分の目で見て肌で感じた」と説明。
今季は3位チームからの日本一となり、「ペナントレースを重視すべき」との声から圧倒的な強さでレギュラーシーズンを制したソフトバンク・小久保監督らも候補に挙がったというが、王氏は「勝負の世界というのは勝たなきゃいけないのが鉄則。見事に勝ち上がった三浦監督の手腕は評価されるべき。ペナントレースがあってクライマックスがあって日本シリーズがありますけど、やはり勝者というものは戦いの中で評価されるべき」と話し、最終的に満場一致で推挙された。
また、特別賞に、メジャー史上初の「50本塁打−50盗塁」を達成し、2年連続本塁打王と初の打点王に輝いたドジャース・大谷翔平選手(30)が選ばれた。
DeNA・三浦監督「大変名誉な賞を受賞することができ、光栄とともに感謝申し上げます。選手、コーチ、スタッフが一丸となり受賞できたと思っています。今季の経験を生かし、進化の手を緩めることなく、来季はリーグ優勝、そして日本一を果たせるよう、チーム一丸となり戦って参ります」
◆正力松太郎賞 日本プロ野球生みの親として知られる、正力松太郎氏の業績をたたえ、1977年に創設。プロ野球発展に大きく貢献した人物に贈られる。コミッショナーから委託された「正力松太郎賞選考委員会」によって審議、選出される。正力賞の表彰者には金メダルと賞金500万円、特別賞は金メダルと賞金300万円が贈られる。選考委員は王貞治氏、山本浩二氏、高田繁氏、辻発彦氏の他にノンフィクション作家の門田隆将氏。