7日の債券市場で、先物中心限月12月限は続落。米大統領選・議会選の動向を受けて6日の米長期金利が急上昇したことや、日銀の追加利上げが改めて意識されたことが影響した。

 5日投開票の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領の当選が確実となったほか、同時に実施された米連邦議会選では共和党が上院の過半数を確保する見通しとなり、6日の米市場では次期政権が減税や規制緩和を進めると見方が強まった。財政拡大やインフレ加速が意識されるなか、同日の米長期金利は一時4.47%と約4カ月ぶりの水準に上昇。厚生労働省が朝方に発表した9月の毎月勤労統計調査(速報)で、所定内給与が前年同月比2.6%増と前月(2.4%増)から加速し、日銀の金融正常化に沿った内容と受け止められたことも国内債の重荷となった。売り一巡後は下げ渋る場面もあったが、米金利の先高観から積極的な買いは手控え気味で、債券先物は午後に一時143円39銭まで軟化。この日は財務省による10年債入札が実施されたが、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が4銭と前回(10月3日)の2銭からやや拡大し、応札倍率が3.13倍と前回の3.53倍を下回ったことから相場を押し上げる材料にはならなかった。

 先物12月限の終値は、前日比26銭安の143円52銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは一時1.015%と約3カ月ぶりの高水準をつけ、午後3時時点では前日比0.025%上昇の1.005%で推移している。

出所:MINKABU PRESS