【布施 祐仁】衝撃の「台湾有事」避難計画…!沖縄県民が思わず漏らした「ホンネ」

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「安全保障を専門とするジャーナリストとして20年以上活動してきた中で、

今ほど戦争の危機を感じる時はありません。」

知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化している日本の現状に、

安全保障の専門家たちが一斉に警鐘を鳴らす!

石破茂政権に注目が集まる「いま」こそ知っておきたい、

日米安保をめぐる「衝撃のウラ側」が、

『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。

※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。

台湾有事の住民避難計画策定へ

日本の最西端に位置し、台湾に最も近い与那国島。台湾本島との最短距離は約110キロで、晴れた日には島の西方に台湾本島の島影がくっきりと見えることもあります。紺碧の海をバックに在来種のヨナグニウマがのんびりと草をむ風景は、ドラマ『Dr.コトー診療所』でもお馴染みです。

人口約1700人(2024年6月現在)のこの小さな島も近年、石垣島などと同じく「国防の最前線」に押し出されています。

2016年には、先島諸島では初めて陸上自衛隊の駐屯地が開設され、レーダーなどで周辺の海・空域を監視する沿岸監視部隊が配備されました。2024年には電子戦部隊も追加配備され、今後は駐屯地の拡張や地対空ミサイル部隊の配備も計画されています。

こうした中で、2023年9〜10月、有事を想定した住民避難計画の説明会が地区ごとに計4回開かれました。

説明会では町役場の担当者が、町が策定した避難計画案について説明しました。

想定しているのは、政府が日本周辺の情勢悪化を受けて「武力攻撃予測事態」(武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態)を認定したケース。政府は、沖縄県全域を「要避難地域」に指定し、与那国島を含む先島諸島の住民には九州各県と山口県に避難するよう指示します。

それを受けて、与那国町はフェリー(4便)と航空機(11便)で約1700人の町民を1日で島外避難(石垣島経由で九州へ)させる──これが避難計画案の柱です。

住民の偽らざる本音

町役場の担当者による説明が終わると、質疑の時間へ。ある高齢男性は、こう発言しました。

「戦争がいつ起こるかわからんから、その段取りをしようということでこの説明会が開かれていると思う。でも、なぜ与那国の人が島外に行かないといけないのか。俺は行かない。どんなことがあっても行かない」

政府から避難指示が出されても島に残ると宣言したのは、この男性だけではありませんでした。

一方、畜産業を営む別の男性は、島には残れないのではないかと疑問を呈しました。

「紛争地帯になるかという時に住民に残られると(自衛隊にとっては)作戦の邪魔になってしまう。この場からとにかく移動してもらわないと(自衛隊が)武力攻撃に備えられないとなれば、残れない。俺だったら、牛がいるから残ろうと思っても残れない。しかも、戻ってきた時に牛が死んでいても、(現在の法律では)補償の制度が整備されていないという。こういう準備を何もしていない国はおかしいと思う」

町の担当者は「私も一町民ですから、本音を言えば、この計画は使いたくないです。でも万が一の時はということで想定していることですので……」と言って理解を求めました。

政府は、有事の際に先島諸島の住民ら約12万人を九州各県に避難させる計画の策定を進めています。「特定の事態を想定したものではない」と説明していますが、避難の対象を先島諸島としていることからも台湾有事を想定しているのは明らかです。

台湾有事で日本全体が戦場に

こうした動きは、台湾有事が発生した場合、先島諸島も戦争に巻き込まれる危険性が高いと政府が考えていることを示しています。米海兵隊と陸上自衛隊は先島諸島を中国軍に対する偵察や攻撃の拠点として利用する遠征前進基地作戦(EABO)を準備しており、同諸島が攻撃を受ける事態は作戦の前提となっています。

しかし、本当に台湾有事が日本有事になれば、先島諸島や南西地域だけの「局地戦」にとどまる保証などどこにもありません。

米国の構想では、日本中の米軍基地が中国のミサイル攻撃を受けることを前提に、空軍と海軍の主力部隊はいったん日本から退避させます。一方で、海兵隊と陸軍は日本にとどまり、自衛隊と共に中国に対するミサイル攻撃などを行います。米兵の犠牲を少なくするため、これはなるべく自衛隊にやらせようとする可能性もあります。

>>議論の内容をさらに詳しく知りたい方は「「台湾有事」衝撃の結果予測!唐突すぎる「方針転換」に相次ぐ怒りの声「聞いてない」」もお読みください。

「台湾有事」衝撃の結果予測!唐突すぎる「方針転換」に相次ぐ怒りの声「聞いてない」