ワールドシリーズを前に会見した大谷翔平（撮影・小林信行）

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　「ワールドシリーズ、ドジャース−ヤンキース」（２５日開幕、ロサンゼルス）

　米大リーグの第１２０回ワールドシリーズが２５日（日本時間２６日）に開幕する。大谷翔平選手（３０）と山本由伸投手（２６）が所属するドジャースと、アーロン・ジャッジ外野手（３２）擁するヤンキースの４３年ぶりの頂上決戦。大谷らは２４日（同２５日）、戦いの舞台となるドジャースタジアムで取材に応じ、大舞台に臨む心境を語った。

　胸の高鳴りが止まらない。「いよいよ始まるなと。今はそういう興奮している気持ちですね」。ワールドシリーズ開幕前日恒例の「メディアデー」。両軍選手の中で誰よりも多い約４０人の報道陣に囲まれた大谷が、平静を装うかのように静かな口調で言った。

　７年目で実現させた夢の舞台。「今までは見る側だったので楽しみにしていました。悔しい思いの中で今年は自分がプレーできるという喜びをフィールドで出せたらいいなと思う」。今ポストシーズンは本拠地開催全６試合で約５万３０００枚のチケットが完売。「ファンの歓声、熱気を楽しみにしていますし、それを力に変えられるように頑張りたい」と意気込んだ。

　西海岸に位置するロサンゼルスと東海岸のニューヨーク。ともに大都市を本拠とし、伝統、実力、人気を兼ね備えた２球団。中でも今季５０発超のキング、大谷とジャッジの対決は最大の注目を集めている。

　大谷は報道陣からジャッジによる「メジャー最高の選手」の賛辞を伝え聞くと、「ただただうれしい。球界トップの選手からそう言ってもらえるのは特別なこと」と笑み。「時代を代表する選手と一緒にプレーできることに感謝したい」と敬意を表した。

　ド軍がリーグ優勝の美酒に酔ったのは２０日。大谷はシャンパンファイトで暴れた翌日から球場入りしてこの日まで調整。「プレーオフを戦ってきた熱量を保ちながら休みを入れないといけないというのが特殊というか、難しかった」。ワールドシリーズに出場する者にしか分からない苦労だった。

　ワールドシリーズ開幕戦には故郷の岩手から両親が応援に駆け付ける。真美子夫人と愛犬デコピンについては「体調が良ければ来ると思います」と言葉を濁した。「本当に素晴らしい球団、チームメート。１年間楽しくプレーできたのはそういう人たちのおかげ。集大成として、勝って最高の終わり方ができればと思います」。悲願達成まで４勝。「１番・大谷」がチームをけん引していく。