「モリヤスの名采配」「ベンチも豊富」森保ジャパン、最終予選初のドローも海外メディアは選手層を絶賛「ナカムラは積極的に仕掛けた」

途中出場の中村がキレのあるドリブルで豪州守備陣を切り裂いた(C)Getty Images

　サッカー北中米ワールドカップ（W杯）アジア最終予選の第4節が10月15日に行われ、日本代表はホームでオーストラリアと対戦し、1-1で引き分けた。4連勝を目指した日本だったが、オウンゴールで初失点を喫し、同点に追いつくも、その後はオーストラリアの堅い守りを崩し切れず勝ち越し点を奪えなかった。

【動画】キレキレのドリブルで豪州ディフェンスを翻弄！中村敬斗が引き寄せた貴重な同点弾のシーン

　これまで主将としてチームを牽引した遠藤航が体調不良により欠場となり、森保一監督は田中碧のボランチ起用を決断するなどスタメンの顔触れに若干の変更があったものの、この試合も序盤から日本が主導権を握った。ゴール前を固めるオーストラリアに対し、日本は両サイドの久保建英、三笘薫がドリブルやクロスボールで何度もチャンスを演出、前半を通して相手ゴールに迫り続けた。

　しかし、0-0のまま後半を迎えると、58分、不運な形で日本が失点する。オーストラリアの攻撃からゴール前に送られたクロスボールに対し谷口彰悟がクリアを試みるもボールが日本のゴールに入ってしまい、オウンゴールで今予選初失点が記録された。

　その後、森保監督は中村敬斗や伊東純也をピッチに送るなど、前線の選手を入れ替え反撃に転じる。76分、その中村が左サイドをドリブルで突破し、ゴール前中央へ折り返すと、今度はオーストラリアディフェンスが速いボールをクリアしきれずにオウンゴール。スコアラーとして記されなかったものの、鋭いドリブルやクロスで得点を呼び込んだ中村のパフォーマンスが光った。

　日本は最後まで攻め続けたが、1-1のままタイムアップ。両チームとも勝ち点1を分け合っている。ホームでのドローという結果に終わった日本は攻守での課題も見えた試合となったが、海外メディアからは、森保ジャパンの選手層の厚さを称える声も挙がっている。

　米スポーツサイト『ESPN』では、同点ゴールを生んだ中村の投入について、「この交代はモリヤス監督の名采配だった」と賛辞を送っており、さらに「ナカムラは積極的に相手ディフェンダーに仕掛け、何度も突破を試みていた」とプレーも高く評価している。

　また、「ナカムラは今年初めのAFCアジアカップで輝きを見せたが、まだ日本代表のスターティングメンバーには定着していない。ジュンヤ・イトウも50試合以上に出場しているものの現在は控えとして待機している状況だ。リーズに移籍したばかりのアオ・タナカもこの試合でワタル・エンドウに代わっての出場だった」として、控え選手のレベルの高さを強調。

　同メディアは、「日本代表には多くの才能が揃っており、ベンチにも頼りにできる選手が豊富にいる。オウンゴールで連勝が途切れたものの、この選手層の厚さにより、敗北ではなく引き分けに持ち込むことができた」などと振り返っている。

　日本は連勝こそ止まったものの、4試合を終え負け無しと、グループ首位であることに変わりはない。1か月後に行われるインドネシア、中国とのアウェー連戦で再び、相手を圧倒する強さがみられることを期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]