イスラエル軍、ガザ北部で包囲強化 子ども含む28人死亡

写真拡大

Nidal al-Mughrabi

[カイロ 17日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリアで17日、住民が避難していた学校にイスラエル軍の攻撃があり、子どもを含む少なくとも28人が死亡、160人が負傷した。ガザの保健当局などが明らかにした。

イスラエルは、攻撃は避難所を拠点にしていたイスラム組織ハマスやイスラム聖戦などの戦闘員が標的だったと表明。攻撃当時、敷地内には数十人の戦闘員がいたといい、少なくとも12人の名前を公表した。ロイターは独自にこれを確認できなかった。

ハマスは声明で、学校に戦闘員がいるとの主張は「全くのうそ」であり、これは「自らの犯罪を正当化するためのイスラエルの組織的な政策」だとした。

パレスチナメディアが報じた学校の映像によると、多くの避難民が子どもを含む負傷者を救急車に乗せる様子や、火のついたテントから煙が出ている様子が映っていた。

ある当局者はこの攻撃で数十人が負傷したと述べ「火を消す水はない。何もない。これは虐殺だ」と非難した。

イスラエル軍はガザ北部ジャバリアに戦車を展開させており、パレスチナと国連の当局者は食料と医薬品の不足に懸念を表明した。

ジャバリアの住民はイスラエル軍が空爆や戦車の砲撃、建物に仕掛けた爆弾などで住宅を破壊したと語っていた。

住民らによると、イスラエル軍はガザ市の北に位置するベイトハヌーン、ジャバリア、ベイトラヒヤを事実上封鎖し、避難命令に従って町を離れることが認められた家族以外の移動を禁止した。

ある住民は「(イスラエルは)紛争の初期に避難しなかったことを罰している。家や道路を破壊し住民を飢えさせようとしている」とチャットアプリを通じてロイターに語った。

医療関係者によると、同じく北部ガザ市でもイスラエルの空爆により11人が死亡した。

イスラエル軍は17日、南部ラファで武装勢力を「排除」し、インフラを破壊し、武器を回収したと発表した。ガザ中部でも作戦を実行中としたが、北部については言及しなかった。

国連によると2日から15日までの間、ガザ北部には食料援助物資が届いていない。

ガザ当局の報道担当ディレクター、イスマイル・サワーバタ氏は、イスラエル軍が170日連続でガザ北部を包囲し、人道支援の拠点を全て閉鎖していると明らかにした。過去10日間のイスラエル軍の攻撃で342人が死亡したという。

「ガザ北部で起きているのは大量虐殺と民族浄化だ。避難計画の一環として家屋、住宅地区、道路、病院、学校、モスク、インフラが破壊されている」と語った。