Adobeが2024年10月13日に開催されたクリエイティブカンファレンス「Adobe MAX 2024」において、AIを活用した企業や代理店のグローバルな広告・マーケティングキャンペーンの配信を手助けするマーケティングツール「Adobe GenStudio for Performance Marketing」の提供開始を発表しました。

Adobe Launches GenStudio for Performance Marketing to Accelerate Campaigns for Marketing and Creative Teams with Generative AI and Deep Insights

https://news.adobe.com/news/2024/10/101424-genstudio-for-performance-marketing

Adobe Announces Partnership with Microsoft Advertising on Adobe GenStudio for Performance Marketing | Adobe Blog

https://blog.adobe.com/en/publish/2024/10/14/adobe-announces-partnership-microsoft-advertising-adobe-genstudio-performance-marketing

Adobe announces partnership with Google’s Campaign Manager 360 on Adobe GenStudio for performance marketing | Adobe Blog

https://blog.adobe.com/en/publish/2024/10/14/adobe-announces-partnership-googles-campaign-manager-360-adobe-genstudio-performance-marketing

Adobe and TikTok expand partnership on Adobe GenStudio for Performance Marketing | Adobe Blog

https://blog.adobe.com/en/publish/2024/10/14/adobe-tiktok-expand-partnership-adobe-genstudio-performance-marketing

Adobe and Snap Partner on Adobe GenStudio for Performance Marketing | Adobe Blog

https://blog.adobe.com/en/publish/2024/10/14/adobe-snap-partner-adobe-genstudio-performance-marketing

Adobe GenStudio for Performance Marketingは、マーケティングのキャンペーンに利用するコンテンツの作成や配信、効果測定を一元管理できる「Adobe GenStudio」向けのツールで、Adobeの生成AI機能群「Firefly」やサードパーティー製大規模言語モデルを活用することが可能です。

今回発表されたAdobe GenStudio for Performance Marketingでは、企業や代理店がグローバル規模の広告・マーケティングキャンペーンをこれまで以上に早いスピード感で展開できるようにすることを目的としています。Adobe GenStudio for Performance Marketingを使用すると、企業や代理店は有料ソーシャル広告やマーケティングメール、ディスプレイ広告などをAIを用いてスピーディーに作成できるほか、生成されたコンテンツをさまざまなオーディエンスセグメントに合わせて調整し、大規模なパーソナライズドマーケティングの実施が可能です。



さらにAdobeはGoogleの広告管理システム「キャンペーンマネージャー360」やMicrosoft Advertising、TikTok、Snap、Metaなど、主要なデジタル広告プラットフォームとの連携を強化しており、Adobe GenStudio for Performance Marketingで作成したキャンペーンの各プラットフォームでの即時展開が可能になると伝えています。



Adobe GenStudioのゼネラルマネージャーであるヴァルン・パルマール氏は「Adobe GenStudio for Performance Marketingを使用すると、企業はブランドを拡大するためのよりクリエイティブなデザインの作成が可能になります。また、マーケティング担当者は顧客エンゲージメントやパーソナライゼーション、コンバージョンを促進するための大量のコンテンツバリエーションを作成することができるようになります」と語りました。

さらにAdobeは、アイデア出しやコンセプト作成など、クリエイティブ活動における初期段階のサポートを行うツール「Adobe Project Concept」を発表しています。Adobeによると、近年、PhotoshopやPremiere Proなど、さまざまなクリエイティブツールに生成AIを導入しワークフローの改善を行っているものの、こうしたツールを使用するには作りたいものの明確なアイデアを固めた上で言語化した上でプロンプトを入力する必要があるという課題がありました。この課題は自由にアイデアを探求したいデザイナーやアートディレクターなどのクリエイターにとっては制約となる可能性があったとのこと。そこでAdobeはクリエイティブプロセスの初期段階から生成AIのサポートを受けられるようにするためのツールとして「Adobe Project Concept」を開発したというわけです。



Adobe Project Conceptでは、出会ったシーンやオブジェクト、アイデアをキャプチャして、別のアセットやアイデアに適用するための「リミックス」機能が搭載されています。また、Adobeは「このツールを使えば、コンセプトの調達や整理、アイデア出し、編集、公開を1つのツールで行えるので、さまざまなアイデアを簡単に試して、最高のアイデアにたどり着くことができます」と述べています。



また、Adobe MAX 2024では2024年4月のリリース以降、これまでベータ版だったクラウド動画・写真コラボレーションツールの「Frame.io Version 4」が正式にリリースされたことも発表されました。



Adobeによると、Frame.io Version 4では従来のFrame.ioのすべての部分をオーバーホールして「より高速で、よりパフォーマンスが高く、より直感的」になるように改善しているとのこと。Frame.io Version 4に搭載された「フレーム精度のホバーと高解像度のプレビュー」機能では、動画のバッファリングと中断が最小限に抑えられ、映像の明瞭さが向上しているそうです。



また、Frame.ioをプロダクションセットに接続するクラウドデバイスのエコシステム「Frame.io Camera to Cloud(C2C)」に、新たにキヤノンやニコン、ライカが加わったことも報告されており、Adobeは「これにより、プロジェクトでのリアルタイムのフィードバックや安定感の向上などが実現します。この動きは業界標準化の飛躍的な進歩を表しており、カメラブランドの好みに関係なく、さらに幅広い分野のクリエイターに比類のない柔軟性と効率性を提供することが可能です」と述べています。