中国の社会物流総額、1〜8月は5・4%増

天津市の天津航空物流区にある中国物流大手、順豊速運(SFエクスプレス)の全自動トランジットハブで選別機を使って仕分けをする作業員。(6月18日撮影、天津=新華社記者/李然)

 【新華社北京10月14日】中国物流購買連合会がこのほど発表した1〜8月の社会物流総額は225兆元(1元=約21円)だった。伸び率は物価変動を除く実質で前年同期比5.4%となり、1〜7月から0.1ポイント低下した。8月の伸びは4.7%で7月を0.6ポイント下回った。8月は産業チェーンの生産と流通が高温、豪雨、水害などの天候による影響を受け、物流需要の前年同月比伸び率がやや変動したが、1〜7月、1〜8月の伸びはそろって5.0%以上を維持した。川上・川下産業の構造転換と高度化が進み、産業の高度化、物流需要の構造調整の流れが見られた。

 工業品物流総額は安定した伸びを維持し、1〜8月は5.5%増となり、1〜7月を0.2ポイント下回った。8月は4.9%増で7月より0.2ポイント低下した。

 1〜8月の輸入物流総額は4.3%増、輸出物流総額は5.0%増となり、伸び率はいずれも1〜7月を下回った。

 1〜8月の事業体・個人による物品物流総額は7.8%増となり、伸び率は1〜7月を0.8ポイント下回った。コンビニや専門店など実店舗での小売物流総額の伸びは5.0%に届かなかったが、小幅増を維持した。商品のオンライン小売の物流総額は8.1%増となり、社会消費財小売総額に占める割合は25.6%で1〜7月と横ばいだった。

中国の社会物流総額、1〜8月は5・4%増

北京市海淀区北太平荘街道の配送センターから荷物の配達に出発する宅配大手、圓通速逓(YTOエクスプレス)のスタッフ。(2月18日撮影、北京=新華社記者/任超)

 今年に入り、産業の持続的な構造転換と高度化に伴い、新旧推進エネルギーの転換が物流需要の構造転換も促している。8月は電子・通信設備製造業の物流量が前年同月比11.4%増となり、10カ月連続で2桁増を維持した。川上の単結晶シリコンは7.2%、多結晶シリコンは20.3%それぞれ増え、川中の半導体デバイス、集積回路(IC)の輸入物流は14.0%程度増えた。

 1〜8月の物流業の売上高は3.3%増加し、伸び率は1〜7月とほぼ横ばいになり、物流市場の規模は安定成長を維持した。産業の高度化を背景とする需要に対応するため、物流の供給構造は今年に入ってから改善が進み、物流産業は高度化の流れを継続し、業界全体は好調さを維持した。8月は電子商取引(EC)企業のサービス能力が向上し、物流効率指数は前月比0.4ポイント、契約履行率指数は0.2ポイントそれぞれ上昇した。