ロッテリア「490円モーニング」におったまげた朝
ロッテリアのモーニングはハッシュポテトとドリンクのセットで490円から(筆者撮影)
喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。チェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライター・ブロガー、大木奈ハル子さんの連載第96回は、「ロッテリア」をご紹介します。
朝ごはんは1日のスタートを左右する大事な食事です。でも、忙しい朝にしっかり食べるのって意外と難しい。そんな時に頼りになるのが、チェーン店のモーニングメニューです。今回はハンバーガーチェーンの「ロッテリア」の朝メニューをご紹介します。
もともとは大手菓子メーカーである株式会社ロッテホールディングスが運営しており、店名の由来も「ロッテのカフェテリアだからロッテリア」だったのですが、2023年4月には「すき家」「はま寿司」「COCO'S」などを運営する、外食業界売上高1位の株式会社ゼンショーホールディングスの傘下となりました。
「新生ロッテリア」になりはや1年半、どこが変わったのか、何が変わらないのかを気にかけつつ、レポートしていければと思います。
ロッテリアのモーニングは単品8種、セット2種
「ロッテリア」のモーニングメニューの販売時間は開店から朝10時30分まで。8種類のサンドとバーガーがあります。
価格は店舗により異なります。
(筆者撮影)
2024年10月現在のロッテリアのモーニングメニュー(筆者撮影)
メニュー写真はロッテリア銀座クリスタルビル店(都心型店舗)のもの。
・ベーコンエッグサンド 税込290円
・たまご&チーズサンド 税込290円
・ベーコンエッグチーズサンド 税込340円
・たまごチキンカツサンド 税込340円
・ベーコンエッグトマレタサンド 税込390円
・BLTサンド 税込440円
・絶品チーズバーガー 税込440円(都心型店舗では税込480円)
・エビバーガー 税込440円(都心型店舗では税込480円)
絶品チーズバーガーと、エビバーガーは全日注文可能ですが、それ以外の6商品は朝限定のメニューとなっています。
それぞれ単品購入のほかに、税込100円追加でドリンクセット、税込200円追加でハッシュポテトドリンクセットへの変更が可能です。
ロッテリアのモーニング たまごチキンカツサンド340円に200円のハッシュポテトドリンクセットをプラス(筆者撮影)
新生ロッテリアはバリュー感アップ! 500円でお腹いっぱい
ここで大発見! 「新生ロッテリア」ならではの嬉しい変化がありました。以前はドリンクセットが税込220円、ハッシュポテトドリンクセットが税込250円だったので、セット注文した場合、ロッテ時代と比べて大幅に値下がりしているのです。
2023年2月当時のロッテリアのモーニングメニューのセット価格(筆者撮影)
インフレ、円安、値上げラッシュと世知辛い昨今に、この英断には「ムムム……さすがゼンショー、バリュー感溢れる価格設定だな」と。単品が税込290円のメニューにハッシュポテトドリンクセットを組み合わせた場合、税込490円とワンコインで済む価格設定は絶妙かつお得感がすごい。
以前、ロッテリア銀座クリスタルビル店を含む一部の都心店では、通常店舗とは異なるメニューを展開し、価格も高めに設定されていましたが、現在は共通メニューを価格差をつけて販売するスタイルに変更されていました。
過去に銀座クリスタルビル店を訪れた際は「お財布に優しいロッテリアでサクッと食べよう」と思ったのに、当初の予算の倍ぐらいの金額を支払い「お財布には優しくはないかも」、オーダーしてから調理するという提供スタイルだったため、混み合うランチタイムには結構な待ち時間となってしまい「サクッともいかんな」という経験があったので、これも嬉しかった。
オーナーチェンジして運営方針が変わったというのはもちろんのこと、「マクドナルド」や「ガスト」などの大手外食チェーンが都心店の価格を値上げしたことで、同じメニューでも立地条件により価格差があるということに、消費者サイドの抵抗が少なくなったというのもありそうです。
たまご&チーズサンドのハッシュポテトドリンクセット 490円
たまご&チーズサンドのハッシュポテトドリンクセット490円。カフェラテも追加料金なし(筆者撮影)
たまご&チーズサンドは税込290円。プラス200円でハッシュポテトドリンクセットをつけました。
全粒粉のソフトフランスパンサンドは、旧ロッテリア時代からありましたが、バンズが柔らかいロールパンに変更されていました。以前より甘味が強く柔らかくなり、適度な噛みごたえはありつつも、具材と一緒に食べても歯切れがよいので食べやすさがアップしています。
ロールパンの中には、マッシュしたたまごサラダと、スライスチーズ、レタスが入っています。ソースなどはなしのシンプルな味。レタスたっぷりでシャキシャキ、コクのあるチェダーチーズと、たまごサラダの甘味であっさり優しいおいしさです。パンの素朴な味わいとの相性も抜群です。
ハッシュポテトは、マクドナルドがカリッと香ばしいのと比較すると、若干厚みがありお芋感が強めでホクホクふんわりです。
ロッテリアのハッシュポテトは、ふわふわ食感(筆者撮影)
陶器のマグカップで飲むコーヒーがおいしい
セットドリンクはホットカフェラテ。実は「ロッテリア」のセットドリンクは、カフェラテが追加料金なしで注文できます。
単品価格で比較すると、ソフトドリンクSは税込220円、カフェラテは税込320円なので、実質100円お得です。
「ゼンショーグループのコーヒーは、牛丼屋でも寿司屋でもおいしい」と定評があるのですが、例に漏れず「ロッテリア」のコーヒーもおいしくなっている気がします。
以前からおいしかったロッテリアのコーヒーがさらにおいしくなっていました。紙コップじゃなくてマグカップで出てくるのが嬉しい(筆者撮影)
最近ではカフェチェーンでも紙コップで提供されることが増えているのに、深煎りで苦味が立った、コクのあるカフェラテが陶器のマグカップで出てくるんです。なんと贅沢な朝でしょう。
ベーコンエッグサンドのハッシュポテトドリンクセットにシェーキをつけて540円
ベーコンエッグサンドのハッシュポテトドリンクセット490円。50円プラスでバニラシェーキも選べます(筆者撮影)
朝ごはんの定番、ベーコンと目玉焼きをパンではさんだのが、ベーコンエッグサンドです。バンズもクイーンバンズにリニューアル。生地の中央に切れ目を入れて、山2つの女王様の王冠のような形状が特徴です。バンズをめくると、目玉焼きの上に折り畳まれた2枚のベーコンがのっていました。
ベーコンは焼いてあり、脂がじゅわーっと滲み出てキラキラしています。なんとこのベーコン、自社製とのこと。「すき家」にも自社製ベーコンエッグという朝食メニューがあるのですが、ここでもゼンショーの強みがロッテリアにも活かされているようです。
目玉焼きは丸い型枠を使用して分厚く焼いてあり、白身のぷりぷり食感が楽しめます。黄身はしっかり火を通してあるのでホクホク。かぶりつくと、ベーコンの旨みがじゅわり。ベーコンの塩気と酸味のあるサウザンソースを、ふっくらと柔らかい素朴な甘味のバンズではさんでかじれば、あっという間にぺろりです。
ここでドリンクの裏技をご紹介。税込290円のベーコンエッグサンドに、ハッシュポテトドリンクセットをプラスした場合、通常は税込490円ですが、朝10時からはシェーキの販売がはじまり、モーニングメニュー終売までの30分間だけ、さらにプラス税込50円すると、バニラシェーキをオーダーできます。
ロッテリアは、シェイクではなくシェーキ。硬さはゆるめなので、飲みやすい(筆者撮影)
「ロッテリア」のシェーキは、「マクドナルド」のシェイクよりもゆるめのテクスチャーで、さらさらと軽い飲み口です。バニラの風味もありつつ、ミルクセーキみたいなこっくりした味で、飲むとなんだか懐かしいようなほっこりした気持ちになります。
ロッテリアの存続を願わずにはいられない進化を感じる朝
ロッテリアがゼンショーに売却された、2023年4月時点の店舗数が308店舗。
店名に旧親会社であるロッテを冠していることから「店名を変更して運営するのかな?」とか「立地のいい店をすき家にするために買収したのかな?」なんて考えていた人もいるかもしれません(少なくとも筆者はそう思っていました)。
看板メニューのエビバーガーもクイーンバンズでよりおいしく(筆者撮影)
約半年後の2023年9月に「ロッテリア」の既存店舗を改装し、ハンバーガーチェーン「ゼッテリア」をオープンした際には「ゼンショーとロッテリアで、ゼッテリアとはおもしろいなあ。ロッテリアはゼッテリアに移行するのか」と予想していたら、そういう訳でもないようです。
現在の「ロッテリア」の店舗数は280店舗、「ゼッテリア」は11店舗(2024年10月時点)。徐々に減ってはいるもののまだまだ健在です。そのうえ、「エビバーガー」や「絶品バーガー」「リブサンドポーク」などの看板メニューはそのままに、バンズの変更や、モーニングやランチなど時間限定のセットメニューの改定など、着実に進化をしています。
少なくとも今回食べたモーニングセットは、オワコンどころか、激アツだったのは間違いありません。「ロッテリア」の行く末を知る由もありませんが、存続と発展を願わずにはいられない朝です。
【その他の画像も】「ゼンショー傘下になってレベルアップ!」「お得感がスゴイ!」…ロッテリアの490円モーニングはこんな感じ
編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。
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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)