【秋華賞/追い切り診断】有力一角に辛口「B」評価 これまでと違い素軽さ欠き「手応え劣勢」で案外な動き
第29回秋華賞(13日/GI、京都芝2000m)には、オークス馬のチェルヴィニア、桜花賞との2冠を狙うステレンボッシュ、ローズS勝ち馬クイーンズウォークなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ステレンボッシュ」を取り上げる。
■ステレンボッシュ
【中間調整】阪神JFはクビ差2着惜敗に終わったものの、桜花賞ではアスコリピチェーノに借りを返して春1冠目をモノにした。オークスはスタート後に落鉄があり、3角過ぎに窮屈となって早めに動かざるを得なかったところをチェルヴィニアに目標にされるという厳しい状況ながら、半馬身差2着。3歳牝馬最強と言って差し支えないだろう。
秋華賞への直行は予定通り。ノーザンファーム天栄からいったん美浦を経由して栗東入りするのも予定通りで、この馬にとってはこれが3回目でお手の物といったところだろう。9月22日にCWで14-14をこなしたのが初時計。25日のCW追いもスムーズだったが、1週前追いの坂路でラスト1F12秒9(一杯)とかなり要してしまい、1勝クラスに手応え劣勢でなんとか併入という案外な動きを見せてしまった。
【最終追い切り】レース当週は戸崎騎手が騎乗し、CWで併せ馬。ミアネーロら関東勢2頭との3頭併せで、中央に陣取る形で進んでいくが、直線では早々と手が動き、外の1勝クラスには先着したものの、内後方から来たミアネーロに完全にアオられる形でなんとか併入だった。1F11秒4(一杯)と格好はつけたが、素軽さという点ではいまひとつ。
【見解】春2冠はいずれも馬なりオンリー調整で素軽く動き、結果を残してきた馬。それが今回は2週続けて強い負荷を掛けざるを得ず、手応え劣勢で併走馬となんとか併入という動きに留まっている。体調自体は悪くなさそうで、精神面でなんらかの問題があるのかもしれない。栗東滞在での経験値豊富な陣営だけに、本番までにグンと良化してくる可能性はあるが、現時点での攻め気配では人気ほどの信頼は置きづらい。
総合評価「B」
著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。