目撃者のベロニカ・ナイトさんが携帯電話のカメラで撮影した事故の様子/Courtesy Veronica Knight

ブリスベン(CNN)オーストラリア・クイーンズランド州北部ケアンズの高級ホテルに8月、ヘリコプターが墜落し、パイロットが死亡した事案をめぐり、当時無許可でヘリを操縦していたパイロットの「血中アルコール濃度がかなり」高かったことが分かった。オーストラリア運輸当局が10日に発表した報告書で明らかになった。

ヒルトン系列のこのホテルでは8月12日、ヘリが屋上に墜落して炎上。数百人の宿泊客とスタッフが避難した。

ヘリのチャーター会社は当時、このパイロットは墜落前夜、昇進を祝うパーティーに出席していた地上職員のひとりだったと述べていた。

パイロットはヘリの操縦を認められていなかったが、格納庫に駐機しているときにはつねに鍵は機内に置かれていたため、ヘリを操縦することは可能だった。

報告書によると、パイロットは「多量のアルコールの影響下にあった」ため、「市街地上空の飛行で認められている304メートルを大きく下回って」飛行していた。

捜査官らは、パイロットがなぜヘリコプターを操縦したのか、あるいはホテルに墜落させる意図があったのかどうかについては結論を出していない。

目撃者や防犯カメラの映像によると、このパイロットはケアンズ周辺のさまざまな場所に友人らと出向き、飲酒していた。

また、現地時間午前1時30分ごろ、ヘリをケアンズ空港のヘリポートに着陸させた瞬間もカメラに捉えられている。

パイロットは数分の間にヘリのコックピットとストロボライトを消灯してから離陸し、ケアンズの市街地方面に向かったという。

報告書は、「パイロットが空港からの出発を航空管制と空港職員に隠そうとしていたことは明らかだった」と述べている。

パイロットにヘリを操縦する権限はなく、操縦したことはあったが、夜間ではなかった。

ホテルに衝突したとき、ヘリは直立姿勢ではなかったが、機械的な故障の兆候もなかった。