国連調査委、イスラエルがガザ医療施設を「意図的に」破壊と非難

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Emma Farge

[ジュネーブ 10日 ロイター] - 国連調査委員会は10日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザの医療システムを意図的に破壊したと認定し、戦争犯罪であり、「絶滅」という人道に対する罪にも相当する行為だと非難した。

ナビ・ピレイ元国連人権高等弁務官は報告書と共に声明文を出し、ガザ戦争においてイスラエルが「医療関係者・施設に対する容赦ない意図的な攻撃」を行ったと指摘。「特に子どもたちはこうした攻撃の影響をまともに受け、医療システムの崩壊によって直接的にも間接的にも苦しめられている」と述べた。

ピレイ氏の24ページにわたる報告書は、戦争開始から10カ月間を対象としており、30日に国連総会に提出される。

イスラエルの首相府と外務省からはコメントを得られていない。

イスラエルは、ガザでイスラム組織ハマスが軍事目的で病院を利用していると主張。ハマスはこれを否定している。

調査委はイスラエルと占領下のパレスチナ地域で行われた国際犯罪の証拠を収集し、加害者と疑われる人物を特定する広範な任務を負っている。

これまでにはイスラエルとハマスの双方がガザ戦争の初期段階に戦争犯罪を犯したと指摘。多くの民間人が犠牲になったとして、イスラエルの行為は人道に対する罪にも当たると主張してきた。

イスラエルは反イスラエルのバイアスがかかっているとして、調査委に協力していない。調査委はイスラエルが調査を妨害していると非難している。

このような国連機関によって集められた証拠が戦争犯罪訴追の基礎となり、国際刑事裁判所に持ち込まれることもある。