白化現象がみられる石西礁湖のサンゴ(環境省提供)

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 環境省は9日、沖縄県の石垣島と西表島との間に広がる国内最大のサンゴ礁「石西礁湖(せきせいしょうこ)」で、サンゴの群体の84%に「白化現象」が起きていると発表した。

 92・8%が白化した2022年以来の規模で、地球温暖化の影響などで記録的な高水温になったことが影響したとみられる。

 白化は、サンゴと共生する褐色のプランクトンが抜け出すことで、サンゴが白く見える現象。白化が長引くと、サンゴはプランクトンから栄養を得られず、死んでしまう。

 同省は05年から、石西礁湖(東西約30キロ・メートル、南北約20キロ・メートル)で調査を続けている。今年は31地点で白化の状況を調べた。

 その結果、群体が丸ごと白化して死んだサンゴは10・9%、死んでいないが丸ごと白化していたのは13・7%、一部が白化したり全体的に色が薄くなったりしたのは59・4%で、部分的なものを含めると群体の計84%が白化していた。全く白化していない健全な群体は16%にとどまった。

 同省石垣自然保護官事務所の担当者は「22年の大規模白化からまだ十分回復していない中で、再び規模の大きな白化が起きた。生態系に甚大な影響が生じる可能性がある」と話している。