静岡県は10月8日、熱海保健所管内に住むに70代の男性と賀茂保健所管内に住む80代の男性が、マダニが媒介する日本紅斑熱に感染したと発表しました。2024年に入り、県内の日本紅斑熱の患者は11人となり、これまで最多だった2019年の10人を超えて過去最多となっています。県は野外でのマダニ対策を十分にするよう呼びかけています。

県によりますと、熱海保健所管内に住む70代の男性は、9月下旬頃から発疹、発熱、肝機能異常、意識傷害の症状で入院していて、県環境衛生科学研究所で検査をしたところ、日本紅斑熱の病原体遺伝子が検出され、「日本紅斑熱」と確認されました。男性は現在も入院中で、感染経路は不明ということです。

また、賀茂保健所管内に住む80代の男性は、9月28日に発熱、30日に医療機関を受診、10月1日に入院しました。男性は虫に刺された自覚があり、下腹部右側と右ふくらはぎに刺し口があったため、県環境衛生科学研究所で検査をしたところ、4日に日本紅斑熱の病原体遺伝子が検出され、「日本紅斑熱」と確認されました。男性は快方に向かっていますが、現在も入院中ということです。

男性は、発症前の期間に山を散策していたことから、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニにかまれたことにより感染したと推定されています。

2024年に入ってから県内の日本紅斑熱の患者は、この2人を含め11人となりました。県内の1年間の日本紅斑熱患者は、これまで2019年の10人が最多でしたが、2024年はすでに11人と過去最多となっていて、県は野外でのマダニ対策を十分にするよう一層の注意を呼びかけています。

県によりますと、日本紅斑熱は、日本紅斑熱リケッチアという病原体を保有するマダニにかまれることで感染し、かまれてから2日から8日の潜伏期間の後、高熱、発疹が現れ、重症化した場合には死に至ることもあります。

県は、特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけて注意が必要で、山や畑などに入る場合は肌の露出を少なくし、発熱・発疹の症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。