Harald Krichel https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Johnny_Depp-2757.jpg Remixed by THE RIVER

写真拡大

私生活での問題によって、ハリウッドから姿を消していたジョニー・デップが帰ってきた。自身25年ぶりの監督作『Modi(原題)』がサン・セバスティアン国際映画祭でお披露目となると、出演者らはしばらく失われていたジョニー・デップの人柄を大いに讃えた。「ハリウッドには、ジョニー・デップが必要だ」と。

デップは元妻アンバー・ハードよりDV被害を訴えられ、泥沼の離婚裁判へと突入。すっかり評判を落とし、中でもワーナー・ブラザース『ファンタスティック・ビースト』シリーズ、ディズニー『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズという2大フランチャイズの新作から降板となったことは大きな話題となった。

ただしその後、デップはハードとの裁判に勝訴。この頃は『Modi』をはじめ、ようやく映画製作や俳優の仕事に戻ることができるようになっている。

デップの監督復帰作『Modi』は画家アメデオ・モディリアーニを描く作品で、第一次世界大戦で荒れたパリを舞台に、鳴かず飛ばずのキャリアを終えて街を離れようとするモディリアーニが、“人生を変える激動の48時間”を経験する物語。名優アル・パチーノが出演している点も注目だ。

プレミア上映を迎えたサン・セバスティアン国際映画祭では、キャストがインタビュー取材に応じたようだ。中でもモディリアーニ役のリッカルド・スカマルチョ、画家シャイム・スーティンは米を通じ、監督デップの人柄を厚く讃えている。

記者の「多くの人が、いろいろな意味で本作をジョニー・デップの復帰作と見ています。ここ数年は不安定な状況でしたが、彼にはセカンド・チャンスが相応しいと思いますか?」との質問に対し、スカマルチョは「セカンド・チャンスですって?なぜですか?ハリウッドはジョニー・デップを必要としていますよ」と回答。デップの存在は「ハリウッドにとっても、映画界全体にとっても、ものすごく重要なこと」と説きつつ、過去数年の彼の状況に思いを巡らせた。

「確かに、とても物議をかもすものですが、最終的には今回の物事の裏に、どれだけの苦しみがあったことか、想像できますか?世界中から攻撃されているような心地の時に、どうしてですか?本当は良い人なのに。彼は僕の人生で一緒に仕事をした人たちの中で、イチバン素敵で、イチバン親切で、イチバン優しい人ですよ。この業界はもっと気をつけてほしい。なぜなら、アーティストというのは、とてもとても壊れやすいからです。簡単には辿り着かない。もちろん特権もありますが、同時にとても難しい仕事なんです。」

さらにマクパーランドは「ジョニーが残りのキャリアや人生をどう使ったとしても、彼の自由だと思います。私が個人的に話すことができるのは、彼は信じられないほど親切な方で、素朴で、とんでもなく謙虚な人間だということ。我々は本当にお世話になりましたし、気にかけていただきました」と謝辞を述べ、デップがメガホンを取った本作について「これまでに経験したことのない素晴らしい演技体験だった」と、この上ない賛辞を述べている。

『Modi(原題)』は2024年12月5日イタリア公開。アメリカや日本での公開予定はまだ伝えられていない。

Source: