Jリーグが「プロ契約ABC区分を撤廃」を発表(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

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Jリーグが公式発表

 Jリーグは9月24日、理事会において「選手契約制度の大幅な改定」の決定を発表した。

 「プロ契約におけるABC区分を撤廃(2026年2月1日)」「プロ契約締結初年度の報酬上限規制を緩和(2026年2月1日)」「プロ契約の基本報酬の下限を新設(2026年7月1日)」の3点を報告している。

 経緯として「約25年の間に『海外クラブとの競争』や『クラブライセンス制度の浸透』、『日本のプロスポーツの発展』等の環境変化が起きていること」を挙げつつ、選手契約制度の見直しを日本サッカー協会(JFA)、日本プロサッカー選手会(JPFA)を含む関係各所と行ってきたという。

 今回の変更には「プロサッカー選手のステータス向上」「Jクラブの競争環境の促進」「海外クラブとの選手獲得競争や海外クラブ移籍による移籍金獲得額の向上への寄与」等の目的が掲げられている。またJリーグ側は「今後の運用状況や更なる環境変化に応じて、継続的に改定の検討を行ってまいります」としている。

■改定の概要
(1)プロ契約におけるABC区分を撤廃 ※2026シーズン(2026年2月1日)から
(2)プロ契約締結初年度の報酬上限規制を緩和 ※2026シーズン(2026年2月1日)から
→基本報酬1,200万円(消費税別)+支度金 500万円(消費税別)
(3)プロ契約の基本報酬の下限を新設 ※2026/27シーズン(2026年7月1日)から
→J1リーグ:480万円 /J2リーグ:360万円 /J3リーグ:240万円 (いずれも消費税別)
→プロ選手の最低人数を各クラブ20名以上に設定
→18歳以下のプロ契約選手は、年俸下限の例外対象とすることもできる
※Jリーグでの方針決議後、本改定に関係する各種規則等を見直し、JFAにおける理事会の決議を経たうえで、本改定は施行となる。

 野々村芳和チェアマンのコメントは以下のとおり。

「プロABC契約制度が始まってから約25年が経ち、現在は『海外リーグとの競争』や『日本のプロスポーツ界の発展』など、当時とは大きく環境が変わっています。サッカー選手になりたい、Jリーグで活躍したい、と思ってもらえるような制度の改革が必要だと考えていました。今回、吉田麻也会長をはじめとした選手会の皆さんと多くの議論を重ね、プロ選手のステータス向上や競争を促進していくことを目的に、新たな制度を設計いたしました。昨年のシーズン移行検討と同様、60クラブや多くの関係者とも『Jリーグの未来』について時間を掛けて何度も話し合いをしました。国内・海外の選手や、サッカー選手を目指す子どもたちから、Jリーグが選んでもらえる存在となり続けられるよう、引き続き、様々な制度改革・環境整備を進めていきたいと思います」

 JPFAの会長を務める吉田麻也のコメントは以下のとおり。

「選手契約制度の改定に向けて、Jリーグ、Jクラブ、JFAの関係者の皆さまには、真摯に弊会とお話し合いいただき、全選手を代表し、深く感謝申し上げます。プロABC契約の撤廃は、歴代選手会長から引き継ぐ悲願でもあり、弊会会員、役員とたくさん意見交換してまいりました。今回の改定は、世界トップレベルのリーグ、クラブ、選手を目指す今後の日本サッカーにとって、とても大きなことと感じています。引き続き日本サッカーの未来のために、しっかり話し合っていきたいと思います」(FOOTBALL ZONE編集部)