ウクライナ北東部ハルキウで2024年9月15日、ロシア軍の攻撃を受けた集合住宅。ゼレンスキー大統領のSNSから=ロイター

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 ウクライナ北東部ハルキウ州の州都ハルキウで15日午後3時20分(日本時間同日午後9時20分)ごろ、ロシア軍による攻撃があった。

 当局によると、91歳とみられる女性が死亡し、他に1〜13歳の子ども4人を含む43人が負傷した。

 当局によると、ロシア軍の滑空誘導爆弾が、12階建て集合住宅の9〜10階部分に命中。9〜12階に火災が広がり、車20台も損壊したという。

 滑空誘導爆弾は爆弾に翼と誘導システムがつけられたもので、標的まで正確に飛ぶ。今回の攻撃は、ウクライナと国境を接するロシア南西部ベルゴロド州から、戦闘機Su34を使って行われた。

■ゼレンスキー氏「勝利計画は…」

 ゼレンスキー大統領によると、15日夜のビデオ演説までの24時間だけで128発の滑空誘導爆弾が発射された。ウクライナ側はロシア軍の軍用拠点を攻撃できるよう、米欧から供与された長い射程のミサイルを使うための許可を求めており、15日夜のビデオ演説でも「彼ら(米欧)の適切な決定を期待している。彼らの決心により、命を救うことができるのだ」と強調した。

 一方、ゼレンスキー氏は15日放送の米CNNのインタビューで、今月ニューヨークを訪問し、バイデン米大統領と会談すると明らかにした。会談は、国連総会の一般討論演説に合わせて行われるとみられる。

 インタビューでは、バイデン氏のほか、次期大統領候補のハリス副大統領、トランプ前大統領に提示する「勝利計画」についても言及。計画は「基礎となるポイントが4点と、戦後必要なポイントが1点」で構成され、「安全保障や地政学的な立場、軍事支援、財政支援」に関係するものだという。(ロンドン=藤原学思)