自民党総裁選(27日投開票)に立候補した9人は15日のNHK番組で、物価高対策や国民負担のあり方について意見を交わした。

【過去最多9人 立候補者の顔ぶれ】

 林芳正官房長官(63)は、10月使用分で終了する電気・ガス料金の補助と、年内で終わるガソリンなどの補助金について「やはり(負担)抑制策は続けたい。賃金が上がり、購買力が上がり、物価が上がるという循環になるまでは、こういう対策が必要だ」との考えを示した。高市早苗経済安全保障担当相(63)も「今はコストプッシュによる物価高で、エネルギーや食料(価格)が上がっている。需要が供給を上回るような形で経済が成長していくことが一番望ましい形だ」と指摘。電気・ガス料金やガソリンなどの補助について「もう少し延ばさなきゃいけないのかどうか出口を柔軟に考えたい」と語った。

 小泉進次郎元環境相(43)は、低所得者や年金生活者への給付や、地方創生臨時交付金の拡充を検討する考えを示した。減税が選択肢になるか問われ、「仮に軽減税率みたいにやろうとすると時間がかかる。今、求められているのは、できる限り早く家計に対する手当てをすることだ。現実的には給付ということになるのではないか」と答えた。

 国民負担を巡っては、茂木敏充幹事長(68)が、岸田政権が決めた防衛増税や子育て支援金の保険料負担増の停止を掲げている。高市氏は、防衛費の財源確保のため、建設国債の発行対象を拡大する案を紹介し、「他の社会インフラと同じように、未来に祖国を残すためのものだから(建設国債の発行は)理解を得られると思う」と語った。子育て支援金の保険料負担増については「社会保険料への追加負担というところが、ちょっとあまり筋が良くなかったような気がしている。やはり経済成長でどれだけ税収をどう増やしていくかであって、今はその正念場だ。使える財源は出てくると思う」と述べた。

 河野太郎デジタル相(61)は防衛増税を支持する姿勢を示した一方、子育て支援金の保険料負担増については「所属するグループ内でリスクを分担することが保険だということを考えると、やはり、いずれかのタイミングで保険料ではなく、応能負担の部分を増やさせていただく必要があるのではないか」と語った。【加藤明子、川口峻】