町田のピッチ脇“タオル問題”巡り「配慮はして」…JFA審判委員が見解「禁止していない」
メディアブリーフィングを実施、町田対浦和戦で発生したピッチ脇のタオル問題に見解
日本サッカー協会(JFA)は9月11日に審判委員会によるメディアブリーフィングを実施。
8月31日のFC町田ゼルビアと浦和レッズの試合で、ピッチ脇に置いてあるタオルを巡って両チームの間でいざこざが起きた件について、JFA審判マネジャーの佐藤隆治氏は「リーグとして間に入ってもらうのがいいかもしれない」という考えを話した。
国立競技場で行われたこの試合の前半は、町田が浦和のベンチがあるサイドのゴールに向かって攻撃していた。雨の中の試合でもあり、ロングスローを戦術に取り入れている町田はピッチ脇にビニール袋に入れたタオルを用意していた。そこで、浦和のフィジカルコーチであるヴォイテク・イグナチュク氏がタオルを袋ごと持ち去り、そのタオルで自身の頭を拭くシーンがあった。
イグナチュク氏はその後に第四の審判員から口頭で注意を受けるような場面もあったが、町田もクラブスタッフが何度もタオルを並べ直すなど、ある種の「場外戦」の様相も呈した。関係者によると、浦和サイドには「町田の持ち物であるから触らないでほしい」という要望があったという。
この件について佐藤マネジャーは「リーグとしてはタオルを置くことは禁止していない。間隔や枚数に何かを言うわけではないが、両チームがいてこそのものなので配慮はして欲しい。レフェリー側だけでこれはダメというものではなく、自分のチームのベンチサイドに相手のものがあるというのもあっての反応という部分もあると思うけど、すべてについてレフェリーが入るものではないと思う」と話す。
そして、コロナ禍で水分補給の際に個人ごとに分けたボトルを用意することがリーグのプロトコルとして必要だった時期を例に挙げ、「クーラーボックスをピッチの近くに置いていて、副審の動きの邪魔になることがあった。クラブとしては、ピッチの近くにあるほうが選手にすぐ渡せるからそうしたいというのがあったところを、変えてもらったことがある。その時と同じように、リーグとして間に入ってもらうのがいいかもしれない」と、競技というよりは試合運営の部分でリーグ側と協力するものという見解を示した。
また、ロングスローの際に時間をかけ過ぎではないかという話題について、佐藤マネジャーは「スピーディーで、なるべく無駄な時間を減らそうというのは世界的な流れでもある。ロングスローは時間だけ測るとそうなるが、サッカーの1つの戦術でもある。だからと言って際限なく時間をかけていいものではないし、全部ダメ、全部いいではない。時間帯や得点差によっても受け取られ方が違う中で、レフェリーがどうコントロールしていくか」と、状況に即してレフェリーの裁量によるコントロールをすべきものと話していた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)