AIを使えば簡単に小説が書けるって本当? ※画像はイメージです(FreeBackPhoto/photoAC)

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パソコンやインターネットが当たり前の存在でなかった時代では、小説家になるには雑誌や賞への投稿が必要で、簡単になれるものではなかった。しかし現在ではブログやSNSでオリジナル小説を公開したり、小説投稿サイトで自身の作品を掲載したり、作品さえ書くことができれば小説家を名乗るハードルは低くなったといえる。

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さらに近ごろ注目を集めている生成AIを活用すれば、オリジナルの小説を短時間で作成することも可能だ。どれくらい簡単なのか確認するために、実際にGoogleの生成AI「Gemini」を使って、内閣府が公表している報告書「『働き方の未来 2035』~一人ひとりが輝くために~」をもとにした小説を制作してみよう。

なお今回の方法で小説を制作する場合、もとの情報の内容によっては著作権の侵害にあたる場合がある。くれぐれも著作物の扱いには注意が必要だ。

では実際に報告書をもとに小説を作ってみよう。今回は「Google AI Studio」を使用して「Gemini」を動かし、小説を作っていく。報告書のPDFファイルをアップロードし「あなたはプロの小説家です。このファイルの情報をもとに小説のタイトルをジャンル別に5つ考えて下さい」と指示をする。すると約10秒後に下記の5つのタイトルが提案された。

【SF】2035年のパラダイムシフト - 技術革新がもたらす社会構造の変革と、新しい働き方を選択する人々の物語を描くSF。
青春小説:海辺のプログラマー - 地方にいながら世界とつながり、自分の才能を活かして活躍する若きプログラマーの成長を描く青春小説。

【ヒューマンドラマ】AIと共に生きる - AIが進化した社会で、人間らしさを活かした仕事に就き、患者に寄り添うカウンセラーの葛藤と成長を描くヒューマンドラマ。

【企業小説】プロジェクトX 2035 - 自動運転技術を開発するエンジニアたちが、会社を飛び出し、新たなビジネスモデルで世界に挑む企業小説。

【社会派ミステリー】消えたキャリアパス - 技術革新によって職を失った人々が、新たな働き方を探る中で、社会の闇に隠された謎に迫る社会派ミステリー。

次に、このなかからタイトルをひとつ選び目次を作る。例えば3つめであるヒューマンドラマで目次を作る場合は「『AIと共に生きる』の目次を考えてください」と指示すれば、20秒もたたないうちに、目次案が示される。

第一章 春の幻影

第二章 夏の光と影

第三章 秋の岐路

第四章 冬の奇跡

第五章 新たな春へ

終章

筆者が指示をおこなった際は、この目次ひとつずつに対して、あらすじまで作成された。ここから「『第一章 春の幻影』について500文字で執筆してください」と指示すれば、下記の冒頭で始まる小説が表示された。

春の息吹が感じられるようになったとはいえ、病院の中はひんやりとした空気に包まれていた。廊下の窓からは、満開の桜が薄桃色の霞のように見えている。だが、その美しさとは裏腹に、病院内には重苦しい雰囲気が漂っていた。

「ピーッ…ピーッ…」

けたたましい電子音が響き渡り、緊迫した声が飛び交う。

ここまでに要した時間は、合計しても5分にも満たない。これだけ簡単な指示文で小説が作られていくのだから生成AIのすごさに驚くばかりだ。この小説が内閣府の報告書をもとに作られているとは誰も気づかないだろう。

このように生成AIを使用すれば、オリジナルの小説を簡単に作ることができる。指示文を工夫すれば、もっと凝った小説を作ることも可能だ。生成AIを使用してあなたの頭の中にある世界観を小説にしてみてはどうだろうか。

(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)