ポリエステル製の衣類は綿製よりも臭くなりやすいことが判明
様々な繊維を分析した結果、ポリエステルやナイロン製の服は、植物由来の繊維である綿やビスコースでできた服よりも臭くなりやすいことがわかりました。研究者らは「服の臭いが気になるならポリエステルは避けましょう」と述べました。
Textile scientists offer fresh insights on why some clothes get smellier
https://phys.org/news/2024-07-textile-scientists-fresh-insights-smellier.html
その結果、植物の主成分であるセルロース系の繊維は、ウール、ナイロン、ポリエステル繊維でできた製品よりも、汗から取り込む化合物の量が少ないことが判明しました。
マックイーン氏によると、汗はほとんどが水分でできていますが、臭いの元となるバクテリアが潜む油性化合物も含んでいるとのこと。こうした化合物や臭気物質が繊維に取り込まれてしまった場合、その繊維は臭いを発するようになります。
マックイーン氏は「綿やビスコースのような水を好むセルロース系繊維は積極的に汗の水分を吸収しますが、ポリエステルは水分を吸収したがりません。ポリエステルはより油分を好み、水に溶けない臭気物質や、後に分解されて臭いになる可能性のある油性化合物をより多く吸収します」と説明しました。
ナイロンとウールに限ると、最初は多くの臭気物質を取り込んだものの、ポリエステルよりも早く臭気物質を放出したといいます。さらに24時間後、ウールとナイロンは臭気物質の濃度がはるかに低くなりセルロース系繊維に近い状態になったため、マックイーン氏は「ポリエステルの衣類は洗濯が必要ですが、ナイロンやウールは毎回洗濯するよりも干すだけでリフレッシュできるかもしれません」との見解を示しています。
マックイーン氏は「なぜ汗が繊維を臭くするのかについて詳しく知ることで、衣類を購入する際の参考となるでしょう。基本的に、服の臭いが気になるならポリエステルは避けたほうがいいです。繊維の化学的性質と臭気物質との相互作用というメカニズムが働いているため、服のラベルに防臭加工が施されていても用心したほうがいいかもしれません」と述べました。