強みを活かせる“天職”に充実感がにじんだ。日本代表MF伊東純也(スタッド・ランス)が7日、北中米W杯アジア最終予選バーレーン戦(10日、リファ)に向けた報道陣の取材に対応。6月シリーズから導入された3-4-2-1の新布陣に「4バックの時よりもウイングバックのほうが人数をかけて攻めれている」と手応えを口にした。

 今月のW杯アジア最終予選から代表復帰を果たした伊東にとって、第2次森保ジャパンで6月から導入された3-4-2-1布陣は今回が初めてのトライ。それでも復帰戦となった5日の中国戦では後半18分からの出場ながら、さっそく右ウイングバックのポジションで攻守の持ち味を発揮し、1ゴール2アシストの大活躍を見せていた。

 伊東自身は「ウイングバックならウイングバックでやれるし、サイドハーフだったらサイドハーフでいつも通りチームでやっているような感じ。個人的には正直どっちでもいい」とシステムには固執しない構え。それでも、チーム全体の仕上がりには手応えを感じているようだ。

「サイドに2枚高い位置にいるぶん、中が自由に動けるのもある。ウイングがボールを受けられなくても中がフリーで受けられる場面が多いと思うし、そこでクオリティーを出せる選手がいっぱいいる」。現状の強みをそう述べつつ、さらに先を見据えて「もし中を締められたら外で1対1もできると思うので、そこがうまくできれば普通にいけるかなと思います」と前向きな展望も口にした。

 また後半32分の伊東のゴールシーンでは、右シャドーのMF久保建英が外に流れ、右ウイングバックの伊東が中央に絞るという流動性が機能。同43分のアシストは同じく左ウイングバックのFW前田大然にクロスを通しており、限られたプレー時間でもさまざまな形でシステムの長所を活かしていた。

 もともと伊東はカタールW杯の3-4-2-1で欠かせぬ働きを見せており、爆発的なスピードと持久力が活きるウイングバックは“天職”ともいえるポジション。W杯当時よりも「より攻撃的な3バックだと思うし、ウイングバックのクロスにウイングバックが入っていくというくらいに厚みのある攻撃ができている」という手応えとともに、さらに存在感を増していきそうだ。

(取材・文 竹内達也)