居酒屋呑みとの違いは、やはりバランスがとりやすいところ、そして安心できるところでしょうか。小鉢の種類も多く、いろんなものをちょっとずつ楽しめて、しかもホッとできる体にやさしい料理ばかり。

 安くておいしいだけではなく、その街を支える人たちの胃袋を満たしながら歴史をつくってきた老舗の定食屋で一杯、というのもオツなものですよ」

 大平さんの最新著書『そこに定食屋があるかぎり』では、都内を中心にセレクトした間違いない店の料理や、お店とともに生きる家族の物語が描かれています。

 写真家・難波雄史さんによる、さまざまな感情を呼び起こす写真に加え、いい店の見極めのコツなどもあり、読みごたえも“満腹”の一冊です。

【大平一枝】
作家・エッセイスト。長野県生まれ。 市井の生活者を描くルポルタージュ、 失くしたくないもの・コト・価値観を テーマにしたエッセイを執筆。著書に『人生フルーツサンド』(大和書房)、『こんなふうに暮らしと人を書いてきた』(平凡社)、連載に「東京の台所2」 (朝日新聞デジタルマガジン&w)など

<取材・文/女子SPA!編集部 写真/難波雄史>

【大平一枝】
作家・エッセイスト。長野県生まれ。 市井の生活者を描くルポルタージュ、 失くしたくないもの・コト・価値観を テーマにしたエッセイを執筆。 連載に「東京の台所2」 (朝日新聞デジタルマガジン&w)など