「もうMCに使わない」…『24時間テレビ』でのSTARTO社の不義理が生んだ“日テレとの深い溝”

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日本テレビの看板特番『24時間テレビ』が、8月31日〜9月1日に放送された。

視聴率は世帯平均で12.5%、瞬間最高で25.4%(ともにビデオリサーチ調べ、以下同)と、下落トレンドだった昨年の世帯11.3%、瞬間最高24.8%を上回った。また番組終了時の募金額は約4億4000万円と、『なにわ男子』がメインパーソナリティーを務めた前年に比べ、約2倍の額となった。

昨年11月に発覚した系列局・日本海テレビジョン放送(鳥取市)の元幹部による寄付金着服問題が燻り、また台風10号の接近で直前までチャリティマラソンの安全性が懸念されるなど、放送前から数々の問題が発生していた今年の『24時間テレビ』。ある中堅日テレ局員は「今年は勝負の年だった」と語る。

視聴率次第でスポンサーが撤退したら来年放送できないかもしれず、何がなんでも数字を取りに行くつもりでした。特に寄付金着服事件の影響は深刻だと考えていました。要所で募金額が公表されていましたが、もし数千万円、数百万円だったらどうしようと現場は不安だったんです。

例年並みの結果となった一番の要因は、間違いなくやす子(25)でしょう。フワちゃん(30)のSNS誹謗中傷トラブルで、やす子へ同情が集まったのはプラスに働いたと言えます。ですから台風が近づく中でも、マラソンを中止するというオプションはありませんでした。一般募金を含めると昨年は8億2000万円ほどだったが、来月以降に公表される今回の募金総額は、それを大きく上回ると予測されています」

“異例ずくめ”となった今年の『24時間テレビ』。なかでも一際目を引いたのは、今までメインパーソナリティーを務めてきた旧ジャニーズ(現STARTO ENTERTAINMENT)タレントの不在だ。’03年の『TOKIO』以来、旧ジャニーズ所属のタレントが番組の進行役を務めるのがお決まりとなっていた。

しかし、今年は21年ぶりに旧ジャニタレのメインパーソナリティー起用が見送られた。昨年発覚した事務所の性加害問題と関連付けて、ファンの間では「ジャニタレを利用して寄付金を集めてきたのに掌返しした。もう番組を見たくない」という意見が出るなど、日テレへの疑問の声が上がっていた。だが、実際はその真逆だったという。

芸能事務所関係者が明かす。

「これは逆で、実際は日テレのオファーからSTARTO社が降りた形ですね。日テレとしては、事務所名も体制も代わったことでSTARTO社のタレント起用は問題ないと判断しています。不安材料が多い中、日テレは視聴率獲得のためにMCにSTARTO社のタレントを入れたかった。

しかしSTARTO社は、寄付金着服事件やドラマの原作改竄トラブルなど世間から風当たりが強い日テレと組むと悪目立ちすると判断した。『出るメリットはあるのか』と突っぱねてきて、揉めた末、見送りとなったというのが内実です」

窮地を脱するために“20年来の絆”にすがったものの、無下にされた日テレ。実際、放送では『嵐』の相葉雅紀(41)が「24人でつなぐ24時間テレビ」の企画に参加したものの、『King & Prince』の郄橋海人(25)と『NEWS』の増田貴久(38)が1コーナーに出演したのみと存在感は皆無だった。

しかし、蓋を開けてみればジャニタレ不在でも手応えを得たことで、局内では早くも「来年以降の旧ジャニ不要論」が趨勢となっているという。

「今回のSTARTO社の“裏切り”には本当に失望しました。来年以降、STARTO社側からメインパーソナリティーをやりたいと申し出があっても、日テレは起用しないでしょう。今回で、旧ジャニーズタレントはMCでなくてスポットで使えば十分だという実証結果が得られた。元々、MCが上手いわけではないですし、そんなタレントを無理やり使う必要がない事がわかったのは収穫でした」(前出・日テレ中堅局員)

『24時間テレビ』の放送が滞りなく終わった裏で、日テレとSTARTO社の間には深い溝ができていたようだ。