防衛能力が高い?(C)日刊ゲンダイ

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 いろいろ批判、逆風もあったが、何はともあれ、お笑い芸人やす子(26)はチャリティーマラソンを完走し、日本テレビ24時間テレビ47」(8月31日〜9月1日)の平均世帯視聴率は12.5%、最高25.4%と、昨年の11.3%、24.8%を上回って「関係者はホッと胸を撫で下ろした」(番組制作会社スタッフ)。当然ながら、やす子の注目度はうなぎ上りだ。

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「やはり『全国の児童養護施設に募金マラソン』のランナーを務めたやす子さんの存在は大きかった。彼女の完走に向けて視聴率はピークへ。4世帯に1世帯がリアルタイムで『見たい』と思ったわけです。8月2日に始まったフワちゃんの暴言騒動は《タイミングが悪い》と思いましたが、それもうまく乗り切って、結果的に多くの視聴者を味方につけた。やす子さんは“持っている芸人”ですね」(前出の番組制作会社スタッフ)

 確かに例の暴言騒動をめぐっては、当初、なぜか“被害者”のやす子を批判する書き込みもあった。

やす子さんが《とっても悲しい》とリアクションしたせいで、余計に《騒ぎが大きくなった》と責める向きもありました。まあ、芸人なのに笑いに転嫁できなかったから炎上したという“言いがかり”に過ぎませんが。騒動にかこつけて、やす子さんの自衛隊時代のパワハラ疑惑を蒸し返す連中もいた。ただ、やす子さんの凄いところは“リスク管理”ができているところ。5月にパワハラ疑惑が報じられた際も、すぐに謝ってみせて炎上の拡大を防いだ。自衛隊出身だからというオヤジギャグはさておき、自己を守る術に長けていますよね」(スポーツ紙芸能デスク)

 芸人に限らず、今どきの芸能人にはリスク管理能力が必須。やす子の“防衛能力の高さ”にも業界の注目が集まっているらしい。

「いつ、どこで、誰が、何で炎上するか分からない時代です。芸能人にとっては致命傷になりかねないし、制作する側のテレビ局も困る。もちろん清廉潔白なのが一番ですが、潔白でも炎上するケースがあるので、うまく自分を守れる、決して悪者にはならない、うまくリカバリーできる芸能人とマネジャーは重宝されがちです。そもそもやす子さんの頑張り屋、一生懸命キャラは敵をつくりにくいというか、攻撃されにくい。それが『24時間テレビ』にもうまくハマっていた。まだ若手でギャラも安いですし、当面、やす子さんへのオファーが途切れることはないでしょう」(前出のスポーツ紙芸能デスク)

 やす子の真逆が、活動休止に追い込まれたフワちゃんということか。ただ、チャリティーマラソンの感動のフィナーレで高視聴率を叩き出したをやす子が、「苦労もあった生い立ちと相まって、笑ってはいけないというか、ツッコミにくい、イジリにくい存在になってしまったら、お笑い芸人としてはいかがなものか、でしょう。アピールしすぎは諸刃の剣というか、カードを切るのが早すぎた印象はありますね」(芸能事務所幹部)。

 お笑い芸人の若い頃の“ビンボー話”とか“苦労話”なんかは鉄板中の鉄板のネタ、大きな武器になるが、単にツッコミにくい“いい人”なってしまったら本末転倒。それを“持っている芸人”と言えるかどうかは、今後のやす子次第か。

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 まともな総括なきまま「強行放送」された今年の24時間テレビを識者が論じた。●関連記事【もっと読む】「何のために放送しているのか」が分からなくなった「24時間テレビ」は来年も放送へ…識者は「何となくの良かったね感」は禁物と苦言…では、早くも言及されている来年の放送について批判している。