下北半島にある本州最北東端の「尻屋崎」には青森県指定天然記念物「寒立馬(かんだちめ)」と呼ばれる馬が暮らしています。名前は、雪の中に立ち尽くす「寒立」というマタギ用語に由来しますが、冬ではなく夏はどう過ごしているのか、現地へ見に行ってきました。

なお、寒立馬に会いに行く場合、ペット、特に犬は決して近づけないようにしてください。また、もし馬に近づく機会があっても馬の後ろには回らないでください。また、食べ物は与えないようにしてください。

観光スポット - 東通村

http://www.vill.higashidoori.lg.jp/nousui/page400001.html

寒立馬とその生息地|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government

https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-bunka/kentennen_32.html

尻屋崎 - 下北半島の観光 | 下北ナビ

https://simokita.org/sight/siriya/

尻屋崎エリア | 下北ジオパーク|公式ホームページ

https://shimokita-geopark.com/area/shiriyazaki/

尻屋崎は青森県東通村にあります。かつては、下北交通のバス路線「尻屋線」がむつバスターミナルから尻屋崎の入口を通って尻屋集落まで走っており、夏には尻屋崎灯台まで乗り入れていましたが、2023年3月末で廃止されています。

このため、今回は東通村の作成した「尻屋崎観光モデルコース」に従って、東通村予約型タクシー尻屋線を利用することにしました。

東通村予約型タクシー尻屋線 ご利用の方向け “尻屋崎観光モデルコースのご提案”

(PDFファイル)http://www.vill.higashidoori.lg.jp/files/100865693.pdf



利用にあたっては、利用前日の15時までに運行を担当する尻屋観光(電話番号:0175-28-5554)に連絡し、「代表者名・利用人数・電話番号・利用したい便・乗降場所・復路予約の有無」を伝えてください。

予約型タクシーを実証運行します - 東通村

http://www.vill.higashidoori.lg.jp/sub02/000443.html

移動当日はまず、JR大湊線の下北駅まで移動しました。



下北駅前から、下北交通のバスでむつ市街へ向かいます。



市内線のほかに大畑行き、佐井行きなどもむつを経由します。経由しないバスも多いので、乗車前に確認が必要です。



下北駅前からむつまでは10分ほど。



2022年5月末までは「むつバスターミナル」がありましたが、老朽化のため廃止されたため、バス停は「さとちょうむつ松木屋」前に移設されています。



その「さとちょうむつ松木屋」も2023年10月20日に閉店していて、跡地1階がバス待合室として活用されています。



東通村予約型タクシーで、さとちょう前から尻屋崎に最も近い「尻屋崎ビジターハウス」まで移動。およそ40分かかりました。



ビジターハウスからは徒歩移動です。灯台までは2kmと少々あります。

尻屋崎の入口にはゲートが設けられており、5月から11月の7時〜16時45分は車やバイクで進入可能です。



車道の進行方向左手側に歩道があります。



ビジターハウスの裏手にも放牧エリアがあり案内板が立っているのですが、このタイミングでは出会うことができませんでした。寒立馬の名前に用いられる「寒立」はマタギ用語で、カモシカなどが寒中に立ち尽くしている姿を指すもの。昭和45年正月、尻屋小学校の岩佐勉校長が「東雲に 勇み嘶く 寒立馬 筑紫ヶ原の 嵐ものかは」と読んだことで「寒立馬」という名称が用いられるようになったとのことです。



入口から灯台まで歩いて移動した様子を撮影してみました。途中に寒立馬が放牧されているエリアがあります。

尻屋崎の入口から寒立馬放牧場所を経由して尻屋崎灯台まで歩いてみた【等速・環境音のみ】 - YouTube

行程の最後の方、灯台が見えてくると右手側に建物があります。これは公衆トイレ。



公衆トイレ横には広い駐車場があり、駐車場奥に寒立馬の放牧エリアがありました。



集団で立っていた寒立馬たち。



がっしりとした体格が特徴の1つ。



毛色はいろいろで、薄い鹿毛のような毛色から黒に近いもの、また白馬のように真っ白な寒立馬もいました。



駐車場の舗装部分からは少し離れていて、放牧エリアはロープで囲まれており、いかにも人が近づかないように管理されている雰囲気でした。いろいろなところで話をうかがったところ、馬の背後に近づいて蹴られたり、ペットの犬に驚いた馬が暴れたりする事故が相次いだため、馬と人が近づかないようにする措置が取られるようになったようでした。非常に残念です。

尻屋崎灯台近くの放牧地にいた寒立馬たち - YouTube

公衆トイレのところから5分ほどで灯台です。1876年(明治9年)に作られた、レンガ造りとしては日本で最も高い灯台です。



参観寄付金300円を支払うと上ることができます。



実際に上ってみた様子はこんな感じ。途中に休みを入れずに2分ほどで上れます。

尻屋崎灯台を上ってみた - YouTube

上りきって外に出ると、灯台までの迪を振り返る形になります。



手前に見えている建物は灯台の向かいにある売店。その向こうの方にある色とりどりの塊が寒立馬たち。道路からも売店からも離れたところで放牧されているのがわかります。



灯台からは太平洋と津軽海峡を望むことができます。



灯台の巨大なライトの横を降りていきます。



かなり狭くなっているので、体格の大きな人や大荷物の人は要注意です。



先ほど上から見えていた売店で休憩することにしました。お土産の販売をしているほか、食事を取ることも可能です。



いろいろな寒立馬の写真が飾られているので、ゆっくり食事をしながら眺めるのがよさげ。かつては売店の周りや灯台のあたりにも馬が来て草を食んでいた様子がよくわかります。



青森けんこう豚を使用した豚丼(大盛・1000円)を注文しました。



山盛りでした。



帰り際に見た寒立馬たち。少し塊がばらけていました。



同じ道を約30分かけて戻ると、ビジターハウス手前の放牧地に往路はいなかった寒立馬がいました。

尻屋崎ビジターハウス近くの放牧地にいた寒立馬たち - YouTube

ビジターハウスからタクシーの帰りの便に乗車し、再びさとちょう前に戻りました。さとちょう前出発から戻りまで3時間40分の行程です。なお、尻屋崎ビジターハウスを出発する便は15時発が最終便です。