中国のPCメーカーであるShenzhen Shanminheng TechnologyのノートPC「AceMagic X1」を、IT系ニュースサイトのArsTechnicaがレビューしています。AceMagic X1の最大の特徴は「2画面搭載」で、メインモニターの横にサブモニターが展開するという点です。

Dual-screen laptops make more sense with this spiral notebook-like hinge | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2024/08/acemagics-x1-is-a-clever-but-delicate-approach-to-dual-screen-laptops/

AceMagic X1のスペックは以下の通り。

AceMagic X1画面14インチ 液晶ディスプレイ(解像度1920×1080) ×2画面OSWindows 11 HomeCPUIntel Core i7-1255U
10コア・12スレッド
ベース周波数:3.50GHz、最大ターボ周波数:4.70周波数グラフィックIntel Iris Xe Graphicsメモリ16GB DDR4-3200ストレージ1TB M.2 NVMe 2280 PCIe 3.0 SSDポートUSB-C(5Gbps・ディスプレイ出力対応)、USB-C(充電用)、USB-A(USB 3.0) ×1、HDMI 2.0 ×1無線Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2サイズ13.3インチ(約33.8cm)×8.7インチ(約22.1cm)×1インチ(約2.5cm)重量4.27ポンド(約1940g)

2画面ノートPCはAceMagic X1が初めてではなく、例えば過去にはLenovo Yoga 9iも2画面ノートPCとして話題になりました。しかし、Lenovo Yoga 9iをはじめとする従来の2画面ノートPCは「本来キーボードやタッチパッドがある面を画面に置き換える」というクラムシェルスタイルを採用しており、キーボードは取外し可能でBluetooth接続になっているという仕組みでした。そのため、Lenovo Yoga 9iのキーストロークはやや浅かったとArsTechnicaは評価しています。



一方、AceMagic X1はキーボードの位置はそのままで、メインモニターの横にサブモニターが展開する形になっています。



サブモニターを畳むと、メインモニターを覆うフタのようになります。この状態で通常のノートPCのように畳むことが可能。厚さは約2.5cmなので、近年のノートPCとしては少し厚めといえます。



また、メインモニターの裏側に畳むことも可能。サブモニターはメインモニターの裏に「カチッとはまる」とのことで、しっかり固定される模様。



ヒンジ部分はこんな感じ。



ヒンジを上から見ると、複数の軸が歯車のような溝でかみ合わさっている構造になっているのがわかります。ArsTechnicaのコメント欄では、このヒンジ構造はLenovo Yoga 900で採用されていたものに酷似していると指摘されていました。



キーボード上部にはモニター表示を選択できるボタンがあります。左から「メインモニターのみ」「サブモニターのみ」「メインモニターとサブモニターを拡張表示」「メインモニターの表示をサブモニターに複製」となっています。画面を複製した状態でサブモニターを裏側に回すと、自分の見ている画面を簡単に他人と共有できます。



モニターにはベゼルがあるので、横並びで拡張表示にすると間に空間が生まれるため、使用感としては「ポータブルモニターをノートPCに取り付けた感じ」に近いとのこと。構造上、キーボードが2画面の中央にはない非対称デザインに慣れる必要があったとArsTechnicaは述べています。



特にキーボードを体の目の前に置くと、必然的にメインモニターまでの距離とサブモニターまでの距離に差が生まれるため、実際に使っていると「サブモニターをもっと見やすくしたい」と思うこともあったとのこと。また、サブモニターを展開したり角度を調整したりする時に、周囲に物があると当たってしまうこともあったそうです。

ArsTechnicaは、AceMagic X1を使う上で目立つポイントとして、「2画面があることでタスクを分散させることができて便利」という点、そして「キーをタッチするたびにサブモニターが揺れて気が散る」という点を挙げています。

ArsTechnicaは「AceMagic X1は、2画面ノートPCは通常のノートPCとサブモニターを一緒に買うよりも安い」と述べる一方で、「2画面の調整可能性、ベゼルの大きさ、バッテリー寿命の懸念など、まだ解決すべき問題があります」とコメント。「AceMagic X1の構造はサブモニターがぐらついたり何かにぶつかったりしないかが気になりますが、キーボードが内蔵されていない2画面ノートPCよりは理にかなっています」と述べ、2画面ノートPCにはまだ新しいアプローチがあると期待を示しました。

AceMagic X1の定価は1399ドル(約20万円)ですが、以下の公式購入ページでは記事作成時点だと899ドル(約13万円)で販売されていました。アメリカ・カナダ・ヨーロッパ向けに出荷しており、日本向けに出荷可能かどうかはカスタマーサービスへの問い合わせが必要だとのことです。

ACEMAGIC X1 360° Horizontal Dual-Screen Laptop - ACEMAGIC_US

https://acemagic.com/products/acemagic-360-horizontal-dual-screen-laptop