ソニーのグループ企業でありブロックチェーン技術を使ったネットワークインフラを構築することを目的としているSony Block Solutions Labsが、Web3の基盤となるインフラネットワークであるブロックチェーンの「Soneium(ソニューム)」を開発したと発表しました。Soneiumはイーサリアムのレイヤー2ソリューションとして機能し、既存のイーサリアムレイヤー1上にネットワークを構築してデータ処理を担うことで、レイヤー1で生じるデータ処理速度の低下や手数料の増加といった課題を解決することができます。

Sony Group Portal - Development of Blockchain "Soneium™"

https://www.sony.com/en/SonyInfo/News/Press/202408/24-029E/



ソニーグループポータル | ニュースリリース | ブロックチェーン"Soneium™(ソニューム)"を開発

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/202408/24-029/

Introducing Soneium by Sony Block Solutions Labs for the Future of Web3 | Soneium

https://soneium.org/en/blog/introducing-soneium-by-sony-block-solutions-labs-for-the-future-of-web3/

Sony Group and Startale unveil Soneium blockchain to accelerate Web3 innovation | VentureBeat

https://venturebeat.com/games/sony-group-and-startale-unveil-soneium-blockchain-to-accelerate-web3-innovation/

Sony’s Long-Awaited Ethereum Layer-2 Chain to Launch in Coming Weeks - Decrypt

https://decrypt.co/246071/sonys-long-awaited-ethereum-layer-2-chain-launch-coming-weeks

Sony to launch Ethereum L2 Soneium to ‘realize the open internet’

https://cryptobriefing.com/sony-ethereum-l2-soneium/

Sony’s Soneium Ethereum Layer-2 Launch | Bitcoin Insider

https://www.bitcoininsider.org/article/257266/sonys-soneium-ethereum-layer-2-launch

インターネットは世界中で利便性向上に寄与しましたが、膨大な情報やインターネット上の経済圏が中央集権的に管理されるようになりました。Web3はそんな中央集権的なインターネットの権力を分散させることを可能にするテクノロジーです。Web3技術やサービスの利用者は、記事作成時点では一部のコアユーザーに限定されていますが、今後一般層へ普及させるための圧倒的な活用事例の創出も待望されています。

そんな中でSony Block Solutions Labsが開発を進めているのが、Soneiumです。Soneiumは参加者を限定せず、誰でも参加できるオープンなネットワークを持つパブリックブロックチェーンとなります。「Web3の基盤インフラであるブロックチェーンを開発することで、部分的なサービス提供に終結せず、インフラからアプリケーションレイヤーまで包括的にWeb3ソリューションを提供することが可能となる」とソニーは説明しています。

エンドユーザーはSoneiumのネットワークに対応しているアプリケーションを通じてSoneiumにアクセスし、各アプリが提供するWeb3ゲームやNFTを売買するマーケットプレイスのほか、エンターテインメント関連のサービスなどを利用可能となります。Soneiumはブロックチェーン技術であるため、アプリでの活動履歴は分散的かつ従来のインターネットと比較してより自己主権的に管理可能。各アプリはウォレットからアクセスすることで利用できます。

Soneiumで使用できるアプリとしては、今後対応する既存のWeb3サービス関連アプリに加えて、ソニーグループ内の事業と連携した新しいサービスが検討されています。Web3サービスを利用したことのない人々の興味も喚起できるユースケースの創出や、Web3技術を用いることでのクリエイターのクリエイティビティの拡張、ファンコミュニティへのエンゲージメント強化などにも取り組んでおり、クリエイターにより創出されたクリエイティブの権利保護やクリエイターやファンを支援するための収益還元の新しい仕組み、デジタルとリアルを横断してクリエイターが活躍できる場に関しての検討も進められます。

Soneiumを利用する開発者やクリエイター向けには、操作がしやすく、効率的かつコスト効果に優れたツールと環境の提供が計画されています。また、アプリ開発者向けのSoneiumの「テストネット」を近日中に公開予定であるとソニーは発表。このテストネットはSoneiumの技術を活用したアプリ開発をソニーグループ内外の開発者と共創することを目的とするもので、今後、テストネットで開発されたアプリと共に「メインネット」の一般公開に向けた検討が進められます。



テクノロジーメディア・VentureBeatの報道によると、Soneiumはイーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションである「Optimism(OP Mainnet)」のSuperchain上に構築されます。これによりSuperchainをインターネットレベルの規模まで容量を拡大することを目指しており、Soneiumはイーサリアムのスケーリングに関する取り組みの最前線に立つこととなります。

また、Soneiumのテストネット立ち上げに向け、Optimism、Circle、Alchemy、The Graph、Chainlinkなどの定評のあるWeb3大手企業がテクノロジーローンチパートナーとして参加することとなります。さらに、SoneiumのテストネットはAstar Networkとの特別なパートナーシップを通じて開始され、このパートナーシップはさまざまなブロックチェーンエコシステムを橋渡しし、Soneiumの機能を拡張する重要なステップとなるそうです。

この統合の一環として、Astar zkEVMは資産の基盤となるインフラストラクチャーをSoneiumと統合します。この戦略的取り組みは、Soneiumに流動性の初期強化と、代替可能および非代替可能なデジタル資産の多様な範囲を提供することを目的としているそうです。これにより、初日から急成長するエコシステムが構築されるだけでなく、プロジェクトの相互運用性と協力的な性質も実証されます。