夏休み真っ盛り。普段はクルマを利用しない人も、レンタカーやカーシェアでアチコチお出かけするに違いない。当然、カーナビにはお世話になりっぱなしとなるだろう。ここ最近は、クルマにスマホをつなげてカーナビアプリを使うという人も増えているかもしれない。

カーナビアプリにもいろいろあるが、もっとも有名なサービスのひとつが「Yahoo!カーナビ」だ。累計ダウンロード数は2024年7月現在で2,400万を突破している。このアプリ、リリース10周年の節目を迎え、先ごろ大幅なアップデートを実施した。サービスを開始して以来、初となるユーザーインターフェース(UI)の刷新にも取り組んだという(順次提供予定)。

ということで今回は、今もっともホットな「Yahoo!カーナビ」の開発担当者たちにインタビュー! デザイナーの廣橋孝紀さん、企画チームの芥川育郎さんにリニューアルのポイントや特徴について聞いてみた。

「Yahoo!カーナビ」が10周年で大幅アップデート! 進化のポイントは?

3D自車アイコン機能も人気! 「Yahoo!カーナビ」の特徴をおさらい

――さっそくですが、「Yahoo!カーナビ」がリニューアルしましたね。

廣橋さん:そうなんです。「Yahoo!カーナビ」は8月1日、リリースから10周年の節目を迎えたのですが、このタイミングでさらに内容を充実させたいな、ということで、UIのほうも刷新しました。

話を聞いたデザイナーの廣橋孝紀さん(左)と企画チームの芥川育郎さん(右)

――そもそも「Yahoo!カーナビ」にはどんな特徴があるんですか?

廣橋さん:無料で利用できること、マップ情報がリアルタイムで更新できることなどは大きな強みかと思います。他にも、マイカーの車幅に合わせたルートを提案したり、交通規制や渋滞などの情報、見逃しやすい標識やオービスなどもアナウンスしますし、ディスプレイオーディオにも対応しているので、AppleのCarPlayやGoogleのAndroid Autoなどでもご利用いただけます。あとは「3D自車アイコン機能」もご好評いただいていますね。

――「3D自車アイコン機能」ですか?

廣橋さん:基本的に、マップ系のアプリは矢印マークや丸マークで自分の位置を表示すると思いますが、「Yahoo!カーナビ」では3Dのクルマや犬、猫などのアイコンを設定することができるんですよ。有料版だと計18種類のアイコンから好きなものを選べます。





自車のマークを3Dアイコンに変更可能。有料版なら18種類から選べる

――ポリゴン風で可愛い……! 愛着が湧きますね。

廣橋さん:あとは、つい最近、音声案内の“声”もリニューアルしたんです。「オンデバイス型ニューラル音声合成技術」を使うことで、従来より高品質になり、声の抑揚や発音のニュアンスまで緻密に再現できました。私自身もプライベートで使っていますが、以前よりなめらかで聞き取りやすくなったと感じています。他にもQRコードで車検情報が管理できたり、スピード違反の取り締まりポイントを表示したりするなど、いろんな機能を備えています。

「Yahoo!カーナビ」のアップデートポイントを徹底解説!

――今回の大幅アップデートですが、内容は?

廣橋さん:まずはデザインのリニューアルです。この10年で自動車の使い方は大きく変化しました。以前は買って所有するのが当たり前だったのに、今はカーシェアやサブスクなど、いろいろな選択肢があります。それに、最近はあらゆるサービスのニーズやトレンドの移ろいが激しくなっているので、それに合わせてデザインを変化させていくのは当然のこと。カーナビも例外ではなく、常にアップデートしなければならないんです。

――具体的に、デザインはどこをどう変えたのでしょう?

廣橋さん:アップデートのコンセプトは「カジュアルに使えてココロオドル車移動を提供できるカーアプリにしたい」で、これに沿ったデザインになったと思います。

「Yahoo!カーナビ」のデザインを新旧比較

廣橋さん:こちらのトップ画をご覧ください。左側が旧デザインで、右側が新デザインですね。並べて見比べていただくと、新デザインのほうは地図領域がより広く表示されているのがわかるかと思います。これによって地図の閲覧性が高まっただけでなく、操作性も向上できたと思います。

普段カーナビを使わない人にとって、カーナビの機能ってちょっと扱いが難しかったりすると思いますが、今回、デザインやレイアウトをアップデートしたことで、初めて「Yahoo!カーナビ」を利用する人でも扱いやすくなったはずです。

――確かに、明らかに見やすくなっていますね!

廣橋さん:続いて、運転中マップです。

こちらが運転中マップ

こちらはナビ画面(地図表示とナビ画面の新デザインは8月末ごろ提供予定。画面はイメージ)

廣橋さん:こちらのナビ画面も左側が旧デザイン、右側が新デザインですが、今回のアップデートで上部に表示される“ガイドパネル”をより直感的に理解できるデザインに変更しました。カーナビは見つめ続けるものではなく、チラチラと確認するものですから、難しい表現や表示では瞬時に情報を受け取れないと思いますので。

――テレビのように集中して見るわけにはいきませんからね。

廣橋さん:さらに、「ここで道を曲がるんだ」と理解しやすくするために、右左折のポイントで吹き出し表示をする仕様へと変更しました。また、直線のときは3D表示、右左折のタイミングでは2D表示に変わるような仕組みとして、進路変更のポイントが理解しやすいよう工夫しました。

――そもそもマップの3D表示って、こんなにしっかりしていましたっけ?

廣橋さん:それも今回のアップデートで大幅に改良しました。傾き具合なども調整して、より奥の道路まで見えるよう工夫したんです。これは東京駅周辺の地図ですが、リアルなランドマークなどの建物も含めて3D表示にすることで、今までよりもずっと現実世界に近い地図に生まれ変わりました。運転のしやすさはもちろん、ワクワク感も意識したアップデートポイントですね。

地図表示も変更。建物が3D表示となり、よりリアルさが増している

カーナビ専用アプリとしての強みとは

――かなり大きくアップデートされたんですね。ちなみに、最近はいろんな会社がカーナビアプリを出していますが、「Yahoo!カーナビ」ならではの“強み”はありますか?

廣橋さん:やはり、道路の表示にはこだわっています。高速道路、国道、一般道といった違いもわかりやすいよう意識して作っていますし、道路の“幅”の表示も実際の道路のサイズ感に近づけるために工夫しています。このあたりは「Yahoo!カーナビ」ならではの取り組みですね。

芥川さん:私自身、いろんなカーナビアプリを使っていますが、中でも「Yahoo!カーナビ」は広い道を優先して案内するという特徴があると感じています。最短距離ではないかもしれませんが、ユーザーの安心・安全を優先したい。そういう想いで何度も走行テストを繰り返しながら、日々改善を図っています。

――言われてみれば、「Yahoo!カーナビ」は細い裏路地に誘導してくるパターンがかなり少ないような……。

芥川さん:日本の道路事情にマッチした、“より安心して走れるルート”の提供には強くこだわっています。あと、「Yahoo!カーナビ」は「カーナビに特化したアプリ」という意味でも、他社と差別化できているかもしれませんね。

――「カーナビに特化したアプリ」というと?

芥川さん:マップアプリだと、移動手段をクルマ、徒歩、電車などから選ぶパターンがありますし、ナビではなく地図として使ったり、お店探しに使う場合もありますよね。もちろん一長一短ですが、「Yahoo!カーナビ」はあくまで「カーナビ」のアプリで、クルマ移動に特化しています。そのぶん、カーナビとしての安全性や機能性は優れているという自信があります。

――確かに、カーナビだけに特化したアプリは珍しいかもしれませんね。最後に、今後の目標などがあれば教えてください!

廣橋さん:先ほどもお話しましたが、私たちが目指しているのは「カジュアルに使えてココロオドル車移動を提供できるカーアプリ」です。これを軸に、既存の機能を改善したり、まだ搭載されていない機能を追加したりしていくことで、さらなるアップデートを目指したいと考えています。我々はユーザーの皆さんと二人三脚のプロダクト作りを重視しているので、今後もみなさんの貴重なフィードバックをいかしながら進んでいきたいですね。

「Yahoo!カーナビ」では交通情報なども確認できる

より使いやすくなり、ワクワク感も増したカーナビ専用アプリ「Yahoo!カーナビ」。夏のお出かけのサポート役をお探しなら、ぜひ一度ダウンロードしてみてはいかがだろうか。

猿川佑 さるかわゆう この著者の記事一覧はこちら